欧州委員会、5G整備で特定企業の排除は見送り
- 2019年03月28日
- 海外携帯電話
欧州連合(European Union:EU)の執行機関である欧州委員会(European Commission:EC)は第5世代移動通信システム(5G)の整備に関して特定企業の排除を見送る決定を下したことが分かった。
5Gの整備にはベンダから5G機器の調達が必要となり、米国政府は欧州委員会に対して中国企業の5G機器を排除するよう求めていた。
なお、中国企業の5G機器の排除は主に中国のHuawei Technologies (華為技術)およびZTE (中興通訊)が提供する5G機器の排除を念頭に置いている。
欧州委員会は5Gの整備に関してサイバーセキュリティ上の対策を講じるための具体的行動を記した法的拘束力のない勧告を公表した。
加盟国レベルでは2019年6月末までに5Gの整備に係るリスク評価を完了し、2019年7月15日までに欧州委員会および欧州ネットワーク情報セキュリティ庁(European Network and Information Security Agency:ENISA)に報告する必要があるほか、通信事業者に対する既存のセキュリティ要件を更新するよう求めた。
また、欧州連合レベルでは加盟国間で互いに情報交換を行い、欧州委員会および欧州ネットワーク情報セキュリティ庁の支援を得て、2019年10月1日までに調整されたリスクアセスメントの策定を完了する計画である。
欧州委員会の勧告では特定企業を名指しで排除もしくは特定企業の排除を念頭に置いた措置は見送られた。
欧州委員会としては中国企業の5G機器の排除を見送ったことになり、中国企業の5G機器の採用に関しては欧州連合に加盟する各国の政府の判断に委ねる方針を示した。
欧州連合には2019年3月時点で28ヶ国が加盟しており、加盟国の中でも中国企業に警戒感を示す国や、経済協力を期待して中国と接近する国が見られ、各国間で対中戦略は足並みが揃っていない。
なお、欧州連合全体では中国企業の排除が見送られたが、加盟国単位もしくは通信事業者単位では独自の基準で中国企業が排除される可能性は十分に考えられる。
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