ASUS ZenFone Max Pro (M2)の対応バンド問題は外国版の誤出荷が原因、影響は約1万台
- 2019年04月02日
- Android関連
台湾のASUSTeK Computer (華碩電脳)の日本法人であるASUS JAPANはスマートフォン「ASUS ZenFone Max Pro (M2) (ZB631KL)」を回収すると発表した。
ASUS JAPANは2019年3月15日にASUS ZenFone Max Pro (M2)を発売したが、モバイルネットワークで特定の周波数を利用できない問題が認められた。
2019年4月2日付けで問題が存在する個体を回収し、問題を解消した製品と交換もしくは返品を受け付けると案内している。
この問題に関して影響範囲や原因などをASUS JAPANの広報担当者より回答が得られた。
回収対象の個体は日本向けに出荷されたZB631KL-BL64S4およびZB631KL-TI64S4の全個体である。
回収対象の台数は約1万台で、数値にはすでに最終消費者に販売もしくは販売店に納入した個体が含まれる。
原因は中国にある製造工場で日本向けとは異なる仕様のパーツを組み込んで日本に出荷したためで、特定の周波数を利用できない問題が生じた。
なお、ASUS ZenFone Max Pro (M2)には対応周波数やキャリアアグリゲーション(CA)の組み合わせが異なるA versionとB versionが存在する。
日本ではB versionが正規販売されるべきであるが、回収対象の個体は外国向けの仕様で、A versionのハードウェアと想定して問題ないと思われるとの回答を得た。
B versionとはA versionでは物理的に仕様が異なるため、ソフトウェアのアップデートでは対処できない。
回収対象の個体では電磁的表示によって特定無線設備の技術基準適合証明等のマーク(以下、技適マーク)を表示できるが、それは日本向けのソフトウェアをインストールしたためで、登録証明機関による工事設計認証はB versionで取得しており、技適マークはB versionのみ有効である。
そのため、日本国内で回収対象の個体を使用すると電波法違反となる可能性があり、必ず交換または返品に応じるよう求めている。
■参考
– A versionの対応周波数とCAの組み合わせ
Band:LTE (FDD) 2600(B7)/2100(B1)/1800(B3)/ 900(B8)/850(B5)/800(B20) MHz, LTE (TDD) 2300(B40) MHz, W-CDMA 2100(I)/900(VIII)/850(V) MHz, GSM 1900/1800/900/850 MHz
CA:CA_3A-3A, CA_3C, CA_7A-7A, CA_7B, CA_7C
– B versionの対応周波数とCAの組み合わせ
Band:LTE (FDD) 2600(B7)/2100(B1)/1900(B2)/ 1800(B3)/1700(B4)/900(B8)/ 850(B5)/800(B18/B19)/ 700(B12/B17/B28) MHz, LTE (TDD) 2600(B38)/2500(B41) MHz, W-CDMA 2100(I)/1900(II)/1700(IV)/ 900(VIII)/850(V)/800(VI/XIX) MHz, GSM 1900/1800/900/850 MHz
CA:CA_2A-2A, CA_2C, CA_3A-3A, CA_3C, CA_7A-7A, CA_7B, CA_7C, CA_41A-41A
– B versionの対応周波数のうち回収対象の個体で利用不可の周波数
Band:LTE (FDD) 1900(B2)/1700(B4)/ 800(B18/B19)/700(B12/B17/B28) MHz, LTE (TDD) 2600(B38)/2500(B41) MHz, W-CDMA 1900(II)/1700(IV)/800(VI/XIX) MHz
なお、ASUS ZenFone Max Pro (M2)の日本版EマニュアルではEU Radio Equipment Directive Complianceの項目にA versionの仕様が記載されているが、これはASUSTeK Computerのスタンダードで欧州連合域(European Union:EU)で利用できる対応周波数を記載しているためで、内容に誤りはないという。
欧州連合域内ではA versionを正規販売しているため、A versionの仕様を記載している模様である。
日本向けの公式な仕様は日本向け公式ウェブサイトの製品ページに記載された内容が正しい情報となる。
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