韓国の世界初5Gを国際社会が認めるか未知数、韓国でも報道
- 2019年04月04日
- 海外携帯電話
韓国の政府機関で電気通信分野の規制を担う科学技術情報通信部(Ministry of Science and ICT:MSIT)は韓国が世界で最初に第5世代移動通信システム(5G)サービスを商用化したと宣言した。
韓国の移動体通信事業者(MNO)であるSK Telecom、KT Corporation、LG Uplus (LG U+)は2019年4月3日の23時(韓国標準時)に5Gサービスの第一号の顧客を開通し、これをもって正式な5Gサービスの商用化と主張している。
しかし、一部の韓国メディアは国際社会が韓国を世界初の5G国家と認めるまで時間を要する可能性があり、業界団体のGSM Association (GSMA)が韓国と米国のどちらを世界初の5G国家として認めるか未知数と伝えた。
米国では同国最大の移動体通信事業者でVerizon Wirelssとして事業を行うCellco Partnershipは2019年4月3日に5Gを商用化した。
Cellco Partnershipは第一号の顧客を開通した具体的な時間を案内していないが、韓国の業界関係者らは第一号の顧客を開通した時間的にはSK Telecom、KT Corporation、LG Uplusの方が59分ほど早いと主張している。
なお、Cellco PartnershipがTwitterで5Gサービスの商用化を投稿した時間が2019年4月3日の11時59分(韓国標準時)頃で、これが59分の根拠となっている。
Cellco Partnershipと韓国の移動体通信事業者は世界初のNR方式に準拠した5Gサービスの商用化を目指しており、先にCellco Partnershipが2019年4月11日に商用化すると発表し、その後に韓国の移動体通信事業者が2019年4月5日に商用化すると発表していた。
しかし、Cellco Partnershipは予告なく商用化の前倒しに踏み切り、2019年4月3日より電撃的に5Gサービスを開始した。
韓国の業界関係者は2019年4月3日の17時頃(韓国標準時)にCellco Partnershipが電撃的に5Gサービスを商用化する見込みとの報に接した模様で、それを受けて科学技術情報通信部は韓国の移動体通信事業者および韓国のSamsung Electronics (サムスン電子)の関係者を緊急で招集し、Cellco Partnershipより先に5Gサービスを商用化するよう注文したという。
韓国の移動体通信事業者は5Gサービスに対応したスマートフォンを緊急で調達し、世界初のタイトルを取るべく2019年4月3日の23時(韓国標準時)に第一号の顧客を開通しており、科学技術情報通信部が2019年4月4日になって韓国が世界初の5G国家と宣言した経緯がある。
しかし、韓国と米国の双方に弱点が存在し、一部の韓国メディアは国際社会や業界団体が韓国を世界初の5G国家と認めない可能性があるとの論調の記事を公開した。
韓国の場合、SK Telecomは同社のプロモーションに起用した芸能人や有名人、契約期間が31年の最長契約者、KT Corporationは同社の従業員の配偶者、LG Uplusは芸能人や有名人が第一号の顧客となった。
いずれも移動体通信事業者が選定した事実上の関係者のみで、一般の顧客は利用できない。
一般の顧客は当初の発表通り2019年4月5日より利用できるため、真の5Gサービスの商用化は2019年4月5日と考えることができる。
LG Uplusに関しては2019年4月4日に5Gサービスの料金プランを修正しており、料金プランの確定前に開通したとの指摘もある。
米国の場合、エリアが極めて限定的かつ中途半端な5Gサービスであり、真の5Gサービスと表現し難いとの見解が韓国で出ている。
韓国ではSamsung Electronicsが開発したスマートフォン「Samsung Galaxy S10 5G (SM-G977N)」で5Gサービスを利用できるが、米国では同国のMotorola Mobilityが開発したスマートフォン「moto z3 (XT1929-17)」に周辺機器の5G moto mod (MD1005G)を装着すれば5Gサービスを利用できるようになるため、韓国では米国の事例は変則的で中途半端な5Gサービスとの意見が見られる。
なお、エリアの問題に関しては、韓国の移動体通信事業者は第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式でも利用されるサブ6GHz帯を使用し、Cellco PartnershipはNR方式で新たに規定されたミリ波(mmWave)を利用するため、周波数特性を考慮した議論が必要と思われる。
韓国の移動体通信事業者は5G向け周波数としてサブ6GHz帯とミリ波の両方を保有するが、エリアの構築の難しさからミリ波は早期導入を見送った経緯があることも認識しておきたい。
どちらが先かの議論とは関係ないが、韓国では夜間の開通を禁じており、23時(韓国標準時)の開通を問題視する意見もある。
一連の経緯から、韓国の世界初の5G国家の宣言について、拍手の代わりに嘲笑が戻ってくることもあり、様々な観点から議論が予想されると伝える韓国メディアも存在する。
無理にタイトルを確保するのではなく、万全な5Gサービスの提供に集中することが重要と主張する韓国の業界関係者の指摘も伝えられている。
いずれにせよ、筆者としては早く日本で5Gサービスを使いたい、それだけだ。
スポンサーリンク
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。