IEEEがファーウェイとその従業員の論文査読を禁止、技術の輸出にあたる可能性
- 2019年05月30日
- 海外携帯電話
電気電子学会(Institute of Electrical and Electronics Engineers:IEEE)は米国政府の措置を受けて中国のHuawei Technologies (華為技術)などに対して活動を制限する措置を講じたと明らかにした。
米国の政府機関である商務省(Department of Commerce:DOC)傘下の産業安全保障局(Bureau of Industry and Security:BIS)は2019年5月16日付けでHuawei Technologiesとその関係会社をEntity Listに指定した。
Entity Listに指定された者に対する特定の米国原産品の輸出や再輸出には産業安全保障局が発行したライセンスが必要となるが、原則としてライセンスの発行は拒否されるため、Entity Listに指定された者は特定の米国原産品の取り扱いが困難となる。
特定の米国原産品は産業安全保障局が管轄する輸出管理規則(Export Administration Regulations:EAR)の対象品目となり、それには特許を含めた技術、ソフトウェア、物品など多くのハイテク製品が含まれる。
電気電子学会はHuawei Technologiesやその関係会社とそれらの従業員に対して一般に公開されていない特定の活動を制限しており、制限内容には論文の査読が含まれることが明らかにされている。
ただ、Huawei Technologiesやその関係会社とそれらの従業員は引き続き会員の権利および投票権を維持するほか、電気電子学会のデジタルライブラリやその他の出版物へのアクセス、電気電子学会が主催する会議への出席、後援や賞などでの関与も引き続き認められる。
米国の輸出管理規則に違反すると罰金やその他の刑罰を含む重大な民事または刑事罰が科される。
公開前の論文の査読は技術の輸出にあたる可能性があり、電気電子学会はHuawei Technologiesやその関係会社とそれらの従業員を含めた会員を保護するために活動を制限する措置を講じたと考えられる。
電気電子学会は米国のニューヨークで登録された非政治的、非営利団体としてサービスを提供するにあたり米国の法律やその他の法的義務を遵守する必要があり、米国政府の措置を遵守することで電気電子学会とその関係者を保護すると説明している。
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