ロシア当局者、ファーウェイにロシア国産OSの搭載を提案か
- 2019年06月13日
- 海外携帯電話
ロシアの当局者は中国のHuawei Technologies (華為技術)に対して実質的にロシアの国有企業が開発を進めるAuroraの採用を提案したことがロシアメディアの報道で分かった。
サンクトペテルブルク国際経済フォーラムの開催に先立ち、Huawei Technologiesで副会長に相当する副董事長および輪番会長に相当する輪値董事長を務める郭平がロシアのデジタル発展・通信・マスメディア大臣であるコンスタンチン・ノスコフと会談を行い、コンスタンチン・ノスコフがAuroraの採用を打診したという。
Huawei TechnologiesはAndroidから独自OSへの切り替えを検討中とされており、そこでロシア政府は乗り換え先の候補としてAuroraを挙げた模様である。
また、前日に開催された中国の習近平国家主席とロシアのウラジーミル・プーチン大統領の中露首脳会談でもAuroraに関する話題が取り上がられたと伝えられている。
米国との貿易問題などで対立が深刻化する中国と米国より経済制裁を受けて経済が低迷するロシアは対米戦略で共闘する方向で一致した。
米国政府より制裁措置を受けて事業に影響が生じているHuawei Technologiesを中露連携の取り組みに積極的に関与させるほか、ロシア政府の立場としてはHuawei TechnologiesがAuroraを採用することでAuroraの普及に繋げる狙いがあると思われる。
Auroraは旧名称がSailfish Mobile OS RUSで、フィンランドのJollaが開発したSailfish OSをベースとしている。
Sailfish OSはLinuxをベースに開発しており、Android向けのアプリケーションも動作する。
ロシアでは同国のOpen Mobile PlatformおよびVotronがJollaとライセンス契約を締結し、Sailfish OSをベースにSailfish Mobile OS RUSの開発を進めてきた。
2018年にロシアの国有企業であるRostelecomがOpen Mobile PlatformおよびVotronの株式をそれぞれ75%ずつ取得し、Sailfish Mobile OS RUSの開発元を実質的に国有化しており、ロシアの国産OSとしてSailfish Mobile OS RUSの開発を進める方針を打ち出した。
Sailfish Mobile OS RUSはロシア向けのカスタマイズが施されており、Sailfish OSから独自性を強める狙いも含めてAuroraに改称したと思われる。
Auroraは政府機関内や企業内での利用を想定しており、安全性の確保と業務効率の向上を狙うとされている。
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