5G NRモデムを統合したチップセットSamsung Exynos 980を発表、EN-DCで下り最大3.55Gbpsに
- 2019年09月04日
- その他モバイル端末
韓国のSamsung Electronics (サムスン電子)は携帯端末向けチップセット「Samsung Exynos 980」を発表した。
高性能なアプリケーションプロセッサと高速な通信を実現する第5世代移動通信システム(5G)のNR方式に対応した通信モデムを統合したチップセットである。
NR方式に対応した通信モデムを統合した最初のチップセットとなり、主にスマートフォンでの採用を想定している。
アプリケーションプロセッサと通信モデムを統合することで、電力効率の向上や部品の面積の削減が期待できる。
製造プロセスは8nm FinFETプロセス技術を採用する。
CPUはオクタコアとなり、デュアルコアのARM Cortex-A77とヘキサコアのARM Cortex-A55で構成される。
CPUの動作周波数はARM Cortex-A77が2.2GHz、ARM Cortex-A55が1.8GHzとなっている。
GPUはARM Mali-G76 MP5を搭載している。
人工知能(AI)の処理を行うニューラルネットワーク処理装置(NPU)も搭載し、On-Device AIを実装できる。
ディスプレイの解像度は最大でWQHD+(3360*1440)となる。
カメラの画素数は最大でシングルカメラが約1億800万画素、デュアルカメラが約2000万画素と約2000万画素に対応し、動画は4K UHDで120fpsまで対応する。
システムメモリはLPDDR4x、ストレージはeMMC 5.1またはUFS 2.1を利用できる。
統合される通信モデムは対応する通信方式がNR/LTE/W-CDMA/TD-SCDMA/CDMA2000/GSM方式となる。
NR方式はサブ6GHz帯のFR1に対応しており、通信速度は下り最大2.55Gbps/上り最大1.28Gbpsに達する。
LTE方式ではLTE DL Category 16およびLTE UL Category 18に対応し、下りはキャリアアグリゲーション(CA)を高度化した5コンポーネント・キャリア・キャリアアグリゲーション(5CC CA)、上りはアップリンク・キャリアアグリゲーション(ULCA)を利用可能で、通信速度は下り最大1Gbps/上り最大200Mbpsである。
NR方式はLTE方式と連携して動作するノンスタンドアローン(NSA)構成に対応し、LTE方式とNR方式のデュアルコネクティビティ(E-UTRA-NR Dual Connectivity:EN-DC)によってノンスタンドアローンでNR方式の通信を実現できる。
EN-DCによってNR方式とLTE方式を同時通信することで、通信速度は下り最大3.55Gbpsとなる。
Samsung Electronicsは2019年9月からSamsung Exynos 980のサンプル出荷を開始しており、2019年中に量産を開始する。
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