台湾大哥大、5G向け3.5GHz帯の高騰に懸念を表明
- 2020年01月17日
- 海外携帯電話
台湾の移動体通信事業者(MNO)であるTaiwan Mobile (台湾大哥大)は第5世代移動通信システム(5G)向け周波数の確保を受けて公式声明を発表した。
台湾の政府機関で電気通信分野の規制を司る国家通訊伝播委員会(National Communications Commission:NCC)が開催した5G向け周波数オークションの第1段階が終了し、Taiwan Mobileはサブ6GHz帯の3.5GHz帯とミリ波(mmWave)の28GHz帯を確保できた。
激しい競争を経て3.5GHz帯は60MHz幅を304億5,000万台湾ドル(約1,119億8,423万円)、28GHz帯は200MHz幅を2億600万台湾ドル(約7億5,765万円)で取得したと案内しており、入札額は制御不能と不満を示唆したが、帯域幅には満足の意を表している。
Taiwan Mobileは周波数の価値を適切に評価し、冷静で合理的な態度かつ高度な自制を持ち入札に参加したと説明しているが、入札額は新たな世界記録を樹立するほどで、これからの5Gの開発に及ぼす影響を懸念するとの立場を明確化した。
5G向け周波数オークションでは1.8GHz帯、3.5GHz帯、28GHz帯が対象の周波数となり、このうち1.8GHz帯と28GHz帯は余りの枠が生じるなど不人気で終わったが、世界的にも採用事例が多く5Gの導入初期に適した周波数とされる3.5GHz帯は事前の予想通り人気が集中し、落札額が高騰する結果となった。
Taiwan Mobileは新たな世界記録を樹立したと説明しているが、実際には3.5GHz帯に限るとイタリアに次ぐ世界で2番目で、それでも高騰したことには間違いない。
なお、5G向けの3.5GHz帯の落札額はイタリアが200MHz幅で43億4,682万ユーロ(約5,335億7,216万円)、台湾が270MHz幅で1,364億3,300万台湾ドル(約5,021億4,316万円)、ドイツが300MHz幅で41億7,552万9,000ユーロ(約5,124億2,504万円)となり、帯域幅あたりの落札額は台湾がドイツを上回った。
参考までに、台湾の近隣では韓国が280MHz幅で2兆9,960韓国ウォン(約1,902億8,389万円)、香港特別行政区が200MHz幅で10億600万香港ドル(約142億6,953万円)となった。
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