iPhone 12 Proでアンテナピクト表示をチェック、eLTE待機時は5G表示に
- 2020年10月25日
- Report
米国のAppleはスマートフォン「iPhone 12 Pro」および「iPhone 12」を発売した。
iPhoneとしては初めて第5世代移動通信システム(5G)のNR方式に対応したため、iPhone 12 ProでRAT表示(アンテナピクト表示)を確認してみた。
なお、検証に使用したiPhone 12 Proは日本向けSIMロックフリー版で、型番はA2406となり、回線はNTT DOCOMOの5G契約である。
日本の移動体通信事業者(MNO)各社はNR方式をノンスタンドアローン(NSA)構成で運用している。
第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式と連携して動作するNSA構成ではLTE方式で待機時に5G表示となる場合があるため、iPhone 12 Proで動作を確認することにした。
NSA構成ではアンカーバンドとして機能するLTE方式への常時接続が前提となり、NR方式のエリア内でも待機時はLTE方式に接続し、通信時にE-UTRA-NRデュアルコネクティビティ(EN-DC)が動作してLTE方式と同時通信によりNR方式でも通信できる。
以下からアンカーバンドとして機能するLTE方式をeLTE方式と表記する。
結論から述べると、eLTE方式で待機時はNR方式のエリアに関係なく5G表示となり、通信を開始後にeLTE方式とNR方式で同時通信時は引き続き5G表示を維持し、eLTE方式で通信時はしばらく経つと4G表示へ切り替わることが確認できた。
4G表示へ切り替わるときに多少の時間を要するため、
– eLTE方式で待機時
– NR方式で通信時
– eLTE方式で通信時に4G表示へ切り替わるまでの時間
以上の場合は5G表示となる。
この仕様は移動体通信事業者各社がすでに発売した5Gに対応した端末と共通である。
日本では移動体通信事業者各社の間でRAT表示の規則を統一しており、iPhone 12 Proを含めたiPhone 12シリーズも同様と分かる。
eLTE方式ではSIB2にアンカーバンドとして機能するためのパラメータが含まれるため、それを端末側で判断して5G表示となる。
また、eLTE方式が存在する場合、
– すでにNR方式のエリアを整備
– 付近にNR方式のエリアが存在
– 近いうちにNR方式のエリアを整備する計画
以上のいずれかが可能性として考えられる。
NTT DOCOMOは5G通信の可能性があるエリアでは待機時に5G表示になると案内しており、eLTE方式が存在する場合はNR方式で通信できる可能性があるということになる。
移動時を除いて待機時に5G表示かつ通信時に4G表示へ切り替わる場合、付近でNR方式を利用できるか、近いうちにNR方式を利用できるようになるか、いずれかと考えておけば問題ない。
筆者はNR方式のエリアの整備が予定されている南草津駅で検証したところ、NR方式の整備に先立ちLTE方式にアンカーバンドとして機能するためのパラメータが載り、いわゆるeLTE方式となったため、待機時は5G表示で通信時は4G表示に切り替わった。
実際にiPhone 12 Proとは異なる機種でSIB2にupperLayerIndication-r15が含まれることも確認できた。
なお、RAT表示の規則は国や地域またはメーカーによって異なるため、iPhone 12 Proでも日本以外では異なる規則が適用される場合もある。
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iPhone 12 Proで通信速度を測定 (大阪府大阪市北区)
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