台湾の遠傳電信と亞太電信、4G周波数の交換と共有で合意
- 2020年11月10日
- 海外携帯電話
台湾の移動体通信事業者(MNO)であるFar EasTone Telecommunications (遠傳電信)および台湾のHon Hai Precision Industry (鴻海精密工業)の子会社で台湾の移動体通信事業者であるAsia Pacific Telecom (亞太電信)は第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式で使用する周波数の交換および共有で合意に達したと発表した。
周波数の交換は4G向けに割当が実施されたFDDの700MHz帯およびTDDの2.6GHz帯が対象である。
合意に基づきFar EasTone Telecommunicationsが保有する2595~2615MHzとAsia Pacific Telecomが保有する723~728MHzおよび778~783MHzを交換する。
これにより、Far EasTone TelecommunicationsはTDDの2.6GHz帯の使用を終了し、FDDの700MHz帯では既存の周波数と合わせて713~728MHzおよび768~783MHzを運用できる。
Asia Pacific TelecomはTDDの2.6GHz帯では既存の周波数と合わせて2575~2615MHzで運用が可能となり、FDDの700MHz帯は引き続き既存の703~713MHzおよび758~768MHzを使用して整備を行う。
いずれも交換の対象となる周波数ではLTE方式を導入しており、LTE BandはFDDの700MHz帯がBand 28、TDDの2.6GHz帯がBand 38となる。
周波数の交換が完了すると、Far EasTone Telecommunicationsの場合はBand 28の帯域幅を10MHz幅*2から15MHz幅*2に拡張し、Asia Pacific Telecomの場合はBand 38の帯域幅を20MHz幅から40MHz幅に拡張できることになる。
これまで、Far EasTone TelecommunicationsはFDDの主要な周波数で豊富に帯域幅を確保しており、FDDの主要な周波数と比べて利用できる端末が比較的少ないTDDの2.6GHz帯は積極的に使用していなかった。
Asia Pacific TelecomはFDDの700MHz帯を取得したが、その後に同じくFDDの700MHz帯を取得した台湾の移動体通信事業者であったAMBIT Microsystems (國碁電子)を吸収合併して周波数も追加で取得した。
ただ、Asia Pacific Telecomが最初に取得した周波数とAMBIT Microsystemsを通じて取得した周波数は離れており、連続した1搬送波として使用できないため、帯域幅が広いAsia Pacific Telecomが最初に取得した周波数を中心に使用していた。
Far EasTone TelecommunicationsとAsia Pacific Telecomの双方が積極的に使用していない周波数を交換することで、双方が既存の周波数と合わせて主要な周波数の帯域幅を拡張できるため、多くの顧客が恩恵を受けられると予想できる。
譲渡する周波数を利用する既存の顧客に与える影響も軽微と推定できるため、周波数を交換することで合意に至った。
また、双方が保有するFDDの700MHz帯の共有と共同整備でも合意に達しており、整備や運用などに係る費用の9分の7をFar EasTone Telecommunications、9分の2をAsia Pacific Telecomが負担する。
すでにFar EasTone TelecommunicationsおよびAsia Pacific Telecomは第5世代移動通信システム(5G)向け周波数の共有や資本提携でも合意しており、協力範囲を4Gにも拡大することになる。
5G向け周波数はFar EasTone Telecommunicationsが取得した3.5GHz帯を共有することが決まっている。
さらにFar EasTone TelecommunicationsはAsia Pacific Telecomに、Hon Hai Precision IndustryはFar EasTone Telecommunicationsに出資する計画である。
なお、通信設備はFar EasTone Telecommunicationsが主にスウェーデンのEricsson、Asia Pacific Telecomが主にフィンランドのNokiaより調達している。
Far EasTone Telecommunications
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