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アンカーバンドから推測できるソフトバンクのn3とn28



SoftBankは2021年2月15日よりFDDの周波数で第5世代移動通信システム(5G)の要求条件を満たすために規定された無線方式であるNR方式の運用を開始した。

700MHz帯および1.7GHz帯は第4世代移動通信システム(4G)の無線方式であるLTE方式で使用してきたが、新たにNR方式を導入することになった。

BandはLTE方式では700MHz帯がBand 28、1.7GHz帯がBand 3、NR方式では700MHz帯がFR1のn28、1.7GHz帯がFR1のn3となる。

n3およびn28は2021年2月15日から千葉県、東京都、愛知県の一部で順次導入し、すぐに近畿地方を含めた各地に拡大している。

原則として公式に対応した端末で検証したいため、早期にn3およびn28に対応かつ比較的安価なSHARP製のAQUOS sense5G (A004SH)を購入したが、NR方式のBandは表示できない。

LTE方式のBandおよび信号強度は表示できるほか、NR方式でも信号強度は表示できるため、アンカーバンドや通信中のNR方式の基地局の場所は特定できる。

なお、SoftBankは4G向けコアネットワークのEPCを使用し、LTE方式に常時接続が必要なノンスタンドアローン(NSA)構成のOption 3でNR方式を運用しており、E-UTRA-NRデュアルコネクティビティ(EN-DC)を適用して同時通信することになる。

常時接続するLTE方式がアンカーバンドとなるが、すべてのBandがアンカーバンドとして機能するとは限らない。

端末側の仕様としてn3を含むEN-DCの組み合わせはDC_1A_n3A、DC_8A_n3A、DC_1A-8A_n3Aに対応し、n28を含むEN-DCの組み合わせはDC_1A_n28A、DC_3A_n28A、DC_1A-3A_n28Aに対応する模様で、n3の場合は2GHz帯のBand 1または900MHz帯のBand 8、n28の場合はBand 1またはBand 3がアンカーバンドとして動作できることになる。

ただ、Band 1の上りとn3の下りが干渉すると思われ、実際にはBand 1とn3が同時通信するEN-DCの組み合わせは運用していないと推測し、アンカーバンドがBand 8であればn3、Band 1またはBand 3であればn28と特定できるのではないかと仮定した。

NR方式を運用する基地局は地点1と地点2の2ヶ所を事前に特定していたほか、無線装置は地点1がRadio 4415、地点2がRRUS11、RRUS12、Radio 2217であることも確認できていた。

いずれもスウェーデンのEricsson製で、周波数はRadio 4415が1.7GHz帯、RRUS11が2GHz帯、RRUS12が900MHz帯、Radio 2217が700MHz帯となる。

このうち、Radio 4415およびRadio 2217でNR方式を運用できるため、信号強度から地点1の基地局であればn3、地点2の基地局であればn28と判断できる。

実際にAQUOS sense5G (A004SH)で確認すると、NR方式はアンカーバンドがBand 8であれば地点1の基地局、Band 1またはBand 3であれば地点2の基地局に接続していた。

仮定した通りにアンカーバンドがBand 8であればn3、Band 1またはBand 3であればn28となる模様である。

上記の結果から、FDDのNR方式はアンカーバンドからBandを推測できると考えている。

n3およびn28の運用を開始した場所は決して多くない。

そのため、検証できる場所も限られているが、機会があれば引き続き検証してみたい。

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