シンガポールのSingtelが5Gを商用化、SA構成を導入
- 2021年05月26日
- 海外携帯電話
シンガポールのSingapore Telecommunications (新加坡電信:Singtel)の完全子会社で同国の移動体通信事業者(MNO)であるSingtel Mobile Singaporeは第5世代移動通信システム(5G)を商用化した。
2021年5月25日より正式に5Gサービスの提供を開始している。
Singtel Mobile Singaporeは2020年9月1日より対象の回線数を限定して5Gサービスのトライアルを提供してきたが、9ヶ月近くに及ぶトライアルを経て正式な商用化に至った。
5Gの無線方式はNR方式を採用しており、単独で動作するスタンドアローン(SA)構成で運用する。
シンガポールの政府機関で電気通信分野の規制を司る情報通信メディア開発庁(Info-communications Media Development Authority:IMDA)は5G向け周波数としてサブ6GHz帯の3.5GHz帯およびミリ波(mmWave)の26GHz帯と28GHz帯の割当を実施した。
有効期間は3.5GHz帯が2021年1月1日、26GHz帯と28GHz帯が2020年11月2日に開始し、いずれも2035年12月31日に満期を迎える。
3.5GHz帯はSA構成で運用することも要件として付されている。
Singtel Mobile Singaporeの場合は5G向け周波数として3.5GHz帯および26GHz帯を取得しており、3.5GHz帯の方が有効期間の開始が遅く、厳格な条件も設定されているが、26GHz帯は対応した端末が普及しておらず、整備も容易ではないため、まずは3.5GHz帯を中心に整備することになった。
しかし、早期にSA構成で運用することは困難であるため、まずは第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式と連携して動作するノンスタンドアローン(NSA)構成でトライアルとして提供を開始した。
SA構成の準備が整い、3.5GHz帯で5Gを提供するための要件を満たしたため、正式に5Gを商用化できたことになる。
なお、周波数は5G向けで新規に取得した3.5GHz帯に加えて、既存の周波数である2.1GHz帯も使用している。
NR Bandは3.5GHz帯がFR1のn78で、2.1GHz帯がFR1のn1である。
SA構成で利用するためには対応したSIMカードおよび端末が必要となっている。
SIMカードは5G SA SIMカードとして提供する新しいSIMカードに交換する必要が生じる。
Singtel Mobile Singaporeは韓国のSamsung Electronics (サムスン電子)と提携しており、まずはSamsung Electronics製のスマートフォンであるSamsung Galaxy S21 Ultra 5Gがソフトウェアのアップデートを通じてSA構成に対応した。
これまでに、Singtel Mobile Singaporeはシンガポール全土の1,000ヶ所以上に5Gの基地局を開設したという。
屋外に加えて屋内でも5Gの整備を推進する計画である。
すでに東南アジアでは複数の移動体通信事業者がSA構成を商用化しているが、シンガポールの移動体通信事業者としてはSingtel Mobile Singaporeが初めて導入することになった。
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