NTTドコモ、5G品質向上の追加対策を10月中旬までに実施
- 2021年10月09日
- docomo-総合
NTT DOCOMOは第5世代移動通信システム(5G)の通信品質の向上に関して追加で対策を実施すると発表した。
5Gの通信品質の向上には日頃から取り組んでいるが、日本全国で2021年10月中旬までにさらなる対策を順次実施する予定という。
5Gのエリアの端など5Gの電波品質が悪い環境で通信速度が極端に低下し、データ通信が停止してアプリケーションやブラウザなどを利用できなくなる事象の発生を認めるとともに、エリア拡大期の5Gにおける課題としている。
エリア拡大期には5Gのエリアが連続しておらず、エリアの端となる場所が多く発生するが、5Gの電波品質が悪い環境でも電波品質が良好な第4世代移動通信システム(4G)ではなく5Gが単独でデータ通信を試みる場合があり、結果としてデータ通信を利用できなくなる。
NTT DOCOMOはエリアの端を減らすために5Gのエリアの積極的な拡大を行うほか、電波品質が悪い環境下でも通信を保つためにネットワーク装置のチューニングを行うなど対策を進めているという。
ネットワーク装置のチューニングは5Gと4Gを最適に組み合わせる設定の変更と、基地局配下の端末あたりに割り当てる周波数帯域を最適化する設定の変更を行い、2種類のチューニングを実施した地域では5Gへの接続成功率が約10%、5Gと4Gを組み合わせる環境で5Gに流れるデータ通信量が約30%の改善を確認したと案内している。
5Gの電波品質が悪い環境でデータ通信を利用できなくなる事象は2021年6月末までに必要な対策を実施すると2021年6月9日付けで発表していたため、追加で対策を実施することになる。
通信品質の向上の取り組みには終わりがなく、5Gに限らず各種取り組みを継続すると表明した。
NTT DOCOMOは5Gの無線方式としてNR方式を導入しており、無線アクセスネットワーク(RAN)構成はLTE方式と連携して動作するノンスタンドアローン(NSA)構成のOption 3で運用している。
NSA構成のOption 3ではアンカーバンドとして機能するLTE方式に常時接続が必須で、基本的にNR方式のカバレッジ内ではE-UTRA-NRデュアルコネクティビティ(EN-DC)を適用してLTE方式にNR方式を加えて同時通信することになる。
なお、NTT DOCOMOが表記する5GはNR方式、4GはLTE方式である。
NTT DOCOMOが使用するNR方式の周波数は高いほか、特に上りは端末側の送信電力が制限されているため、NR方式の上りのカバレッジは縮小する。
本来はNR方式の信号品質が悪い状況ではLTE方式でデータ通信を維持するが、NR方式の上りのカバレッジが縮小して信号品質が悪い状況でもNR方式が単独でデータ通信を試みる場合があり、データ通信が停止する事象の主要な要因のひとつと推測している。
2021年10月中旬までにさらなる対策を講じると案内しているため、定期的にNTT DOCOMOの5Gを使用して改善を確認したいと考えている。
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