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米国のAT&TとVerizonがCバンド5Gを再延期、航空業界が懸念



米国(アメリカ)の移動体通信事業者(MNO)であるAT&T Mobilityおよび同じく米国の移動体通信事業者でVerizon Wirelessとして携帯通信事業を展開するCellco Partnershipは3.7GHz帯の周波数を使用した第5世代移動通信システム(5G)の導入を再延期した。

両社とも当初は2021年12月5日に3.7GHz帯の5Gを導入するために基地局の設置など準備を進めてきた。

しかし、航空業界の懸念を受けて両社は1ヶ月の延期に同意し、2022年1月5日に変更していた。

ただ、航空業界はさらなる延期を要請したため、2週間の延期を受け入れて2022年1月19日に再延期することになった。

3.7GHz帯はC-bandと呼称されており、周波数範囲は3700~3980MHzを5Gで使用する計画である。

すでにAT&T MobilityおよびCellco Partnershipは5Gを導入しているが、5Gではサブ6GHz帯のFDDの周波数とミリ波(mmWave)のTDDの周波数を使用するにとどまる。

サブ6GHz帯のFDDの周波数はカバレッジの確保に有利であるが、帯域幅が狭いため、5Gでも通信速度は第4世代移動通信システム(4G)と同等にとどまる。

ミリ波のTDDの周波数は広い帯域幅を使用して高速通信を実現できるが、カバレッジの確保が困難である。

既存の周波数ではカバレッジと高速通信の両立が困難であるが、ミッドバンドと呼称されるサブ6GHz帯のTDDの周波数がカバレッジと高速通信の両立を実現できる周波数として期待されている。

3.7GHz帯はミッドバンドのひとつで、AT&T MobilityおよびCellco Partnershipはカバレッジと高速通信を両立した5Gを整備するために取得した。

3.7GHz帯では5Gの無線方式としてNR方式を導入し、NR BandはFR1のn77で運用することも決定している。

なお、米国の主要な移動体通信事業者としてはT-Mobile USAも3.7GHz帯を取得したが、ミッドバンドは2.5GHz帯を使用して高速通信を実現できる5Gを広範に整備しているため、他社ほど3.7GHz帯を重視していない。

移動体通信事業者としては5Gの整備で期待度が高い3.7GHz帯であるが、航空機の電波高度計で使用する4200~4400MHzと近いため、航空業界では航空機の運航に与える影響が懸念されている。

そのため、米国の政府機関である連邦航空局(Federal Aviation Administration:FAA)、航空会社、航空機メーカーなどの航空業界は3.7GHz帯の5Gの導入を延期するよう移動体通信事業者に求めてきた。

移動体通信事業者や米国の政府機関である連邦通信委員会(Federal Communications Commission:FCC)など通信業界は問題ないと説明しているが、最終的に2022年1月19日まで再延期に同意した。

航空業界は2022年1月19日に間に合うよう安全を確保するための対策を実施することになる。

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