台湾の携帯電話市場、電信新三雄時代に
- 2023年12月15日
- 海外携帯電話
台湾では2023年12月に2件の移動体通信事業者(MNO)の合併に伴い移動体通信事業者(MNO)が5社から3社に減少した。
2023年11月末時点ではChunghwa Telecom (中華電信)、Taiwan Mobile (台湾大哥大)、Far EasTone Telecommunications (遠傳電信)、Taiwan Star Telecom (台湾之星電信)、Asia Pacific Telecom (亞太電信)の5社が台湾で移動体通信事業者として携帯通信事業を展開していた。
2023年12月1日を効力発生日としてTaiwan Mobileを存続会社、Taiwan Star Telecomを消滅会社とする吸収合併、2023年12月15日を効力発生日としてFar EasTone Telecommunicationsを存続会社、Asia Pacific Telecomを消滅会社とする吸収合併を実行したため、台湾の移動体通信事業者はChunghwa Telecom、Taiwan Mobile、Far EasTone Telecommunicationsの3社となった。
台湾ではChunghwa TelecomおよびTaiwan Mobileが台湾全土、Far EasTone TelecommunicationsおよびKG Telecommunications (和信電訊)が台湾中部、TransAsia Telecommunications (泛亞電信)およびMOBITAI Communications (東信電訊)の6社が1997年以降に第2世代移動通信システム(2G)で携帯通信事業を順次開始した。
第3世代移動通信システム(3G)の時代にも新規参入が相次ぎ、2003年7月28日にAsia Pacific Broadband Wireless Communications (亞太行動寛頻電信)、2005年12月6日にVIBO Telecom (威寶電信)が3Gで携帯通信事業に新規参入を果たした。
一方、2Gの時代に新規参入した移動体通信事業者の経営統合も進み、KG Telecommunicationsは2004年1月1日にFar EasTone Telecommunicationsの完全子会社、MOBITAI Communicationsは2005年11月3日、TransAsia Telecommunicationsは2006年1月26日にTaiwan Mobileの完全子会社となった。
KG Telecommunications、MOBITAI Communications、TransAsia Telecommunicationsは親会社を存続会社とする吸収合併の実行で順次消滅したため、2Gで新規参入した移動体通信事業者はChunghwa Telecom、Taiwan Mobile、Far EasTone Telecommunicationsの大手3社、いわゆる三雄に集約されることになった。
Asia Pacific Broadband Wireless Communicationsは内部の再編に伴い親会社のAsia Pacific Broadband Telecom (亞太固網寛頻)を存続会社、Asia Pacific Broadband Wireless Communicationsを消滅会社とする吸収合併の実行に伴い消滅したが、Asia Pacific Broadband Telecomは社名をAsia Pacific Telecomに変更して携帯通信事業を継続してきた。
第4世代移動通信システム(4G)の時代にはVIBO TelecomがTaiwan Star Telecomに社名を変更、2015年5月15日にAMBIT Microsystems (國碁電子)が新規参入したが、2015年12月31日を効力発生日としてAsia Pacific Telecomを存続会社、AMBIT Microsystemsを消滅会社とする吸収合併を実行しており、2016年以降は大手3社と中堅2社、合計で5社の体制が8年弱も続いた。
第5世代移動通信システム(5G)の時代には新規参入がなく、2023年12月にはTaiwan Star TelecomとAsia Pacific Telecomの消滅に伴い台湾の移動体通信事業者は初めて完全に大手3社に集約した。
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