タイ・バンコク都でAISとTrueのミリ波5Gを試す
タイの首都・バンコク都(クルンテープ都)でミリ波(mmWave)の周波数を使用した第5世代移動通信システム(5G)を試した。
タイの移動体通信事業者(MNO)としてはAISとして携帯通信事業を行うAdvanced Wireless Network (AWN)、Trueとして携帯通信事業を行うTrue Move H Universal Communication (TUC)、dtacとして携帯通信事業を行うdtac TriNet (DTN)、National Telecom (NT)の4社が準ミリ波の26GHz帯を5G向けに取得している。
周波数範囲と帯域幅はAdvanced Wireless Networkが25200~26400MHzの1200MHz幅、True Move H Universal Communicationが24300~25100MHzの800MHz幅、dtac TriNetが26800~27000MHzの200MHz幅、National Telecomが26400~26800MHzの400MHz幅となっている。
なお、携帯通信分野では準ミリ波も含めてミリ波と呼称することが一般的である。
バンコク都内では4か所でAdvanced Wireless Network、1か所でTrue Move H Universal Communication、2か所でdtac TriNetが設置した26GHz帯の5Gの基地局を発見した。
いずれも無線装置はMassive MIMO (大規模MIMO)に対応したアンテナ一体型無線装置で、製造者および型式はAdvanced Wireless Networkが中国のHuawei Technologies (華為技術)製のHAAU5213 26000A、True Move H Universal CommunicationがHuawei Technologies製のHAAU5323 26000A、dtac TriNetがスウェーデンのEricsson製のAIR 1281 B258Bを採用する。
各社のプリペイドプランに加入して台湾のASUSTeK COMPUTER (華碩電脳)製のSmartphone for Snapdragon Insiders (EXP21 Smartphone)で試したところ、Advanced Wireless Networkの3か所とTrue Move H Universal Communicationの1か所では実際に通信できた。
Advanced Wireless Networkは1200MHz幅のうち800MHz幅、True Move H Universal Communicationは800MHz幅のうち400MHz幅で運用している。
両社とも無線方式はNR方式、無線アクセスネットワーク(RAN)構成はノンスタンドアローン(NSA)構成、NR BandはFR2-1のn258である。
Advanced Wireless Networkのプリペイドプランは通信速度が無制限と案内するプランでも実際は上限を約1Gbpsに制御しているため、下りの通信速度は最大でも約1Gbpsにとどまるが、True Move H Universal Communicationでは約2Gbpsにも達した。
サブ6GHz帯(Sub6)の周波数を使用した5Gでは最大でも実測で1Gbps前後にとどまり、True Move H Universal Communicationの場合はミリ波の5Gではサブ6GHz帯の5Gを大幅に上回る高速通信を利用できた。
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