英国政府がVodafone Groupに国家安全保障委員会の設立を命令、UAE政府の影響警戒
- 2024年02月03日
- 海外携帯電話
英国(イギリス)政府は同国のVodafone Groupに対して国家安全保障委員会の設立などを命令した。
英国政府は閣僚大臣の最終命令として2021年国家安全保障投資法第26条の規定に基づきVodafone Groupに最終命令を発出している。
Vodafone Groupはアラブ首長国連邦(UAE)のEmirates Telecommunications Group CompanyとVodafone Groupの経営に重大な影響を与えることができる契約を締結しており、英国政府は両社の契約を承認したが、同時に国家安全保障上の懸念に対応するための比例した措置を講じることになった。
閣僚大臣として両社の契約はVodafone Groupの役割を考慮すると国家安全保障に懸念を与えると考えているという。
Vodafone Groupに対しては従来通り電気通信分野で英国政府が掲げる国内外の構想に呼応するほか、国家安全保障を支える政府機関に対する電気通信サービスの提供を含めた英国中央政府の多くの機関に電気通信サービスを提供する事業者として行動するよう求めている。
そのため、詳細な要件は開示していないが、Vodafone Groupに対して取締役会の構成、取締役会委員会の選任、取締役会委員会の機能で特定の要件を満たすよう命令した。
同時に英国の国家安全保障に影響を与える機密作業や英国の国家安全保障に係る機密作業を監督する国家安全保障委員会を設立することも要求している。
Vodafone GroupとEmirates Telecommunications Group Companyが締結した契約にはEmirates Telecommunications Group CompanyがVodafone Groupの株式の14.6%を保有することが含まれる。
これにより、Emirates Telecommunications Group CompanyはVodafone Groupの経営に重大な影響を与えることができる。
Emirates Telecommunications Group Companyの株式の60%はアラブ首長国連邦の連邦政府直轄機関であるエミレーツ投資庁(Emirates Investment Authority:EIA)が保有するため、Emirates Telecommunications Group Companyはアラブ首長国連邦の国有の会社となる。
英国政府としては英国を代表する通信事業者であるVodafone Groupに対するアラブ首長国連邦政府の影響力を警戒している。
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