北朝鮮のSUNNETに出資したタイのLoxpac (Thailand)、2023年通期の業績が判明
- 2024年03月28日
- DPRK
タイのLoxpac (Thailand)の2023年通期の業績が判明した。
2023年12月31日に終了した12か月間となる2023年通期は売上高が発生しておらず、当期純損失は2,500万タイバーツ(約1億367万円)となった。
Loxpac (Thailand)は2018年3月31日を効力発生日として操業を停止したため、2018年3月31日以降は資産の売却を除き売上高は原則として発生していない。
当期純損失は前年同期から変動しておらず、人件費を含む必要最低限の固定費が引き続き発生していると考えられる。
Loxpac (Thailand)は解散が決定しており、2024年3月26日時点では清算の手続きを進めている。
2023年12月31日時点で総資産は前年同期比58.1%減の1,800万タイバーツ(約7,464万円)で、総負債は前年同期と同じくない。
操業の停止前は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の通信事業に対する投資が主要事業で、北朝鮮のKorea Posts and Telecommunications Corporation (朝鮮逓信会社:KPTC)と合作会社として北朝鮮の羅先市でNorth East Asia Telephone and Telecommunications (東北アジア電話通訊会社:NEAT&T)を設立した。
North East Asia Telephone and Telecommunicationsに対する出資比率はLoxpac (Thailand)が70%、Korea Posts and Telecommunications Corporationが30%であるが、Loxpac (Thailand)の操業の停止に伴いLoxpac (Thailand)のNorth East Asia Telephone and Telecommunicationsに係る権利義務の全部はKorea Posts and Telecommunications Corporationに譲渡する。
なお、North East Asia Telephone and Telecommunicationsは北朝鮮で最初の移動体通信事業者(MNO)で北朝鮮で初めて携帯電話サービスを商用化した実績がある。
SUNNETの商標で商用化した第2世代移動通信システム(2G)のGSM方式による携帯電話サービスは終了したが、携帯電話サービスの終了後は羅先市に限定して携帯電話関連事業を継続している。
Korea Posts and Telecommunications Corporationは移動体通信事業者としてKANGSONG NET (強盛網)の商標で携帯電話サービスを商用化しており、North East Asia Telephone and Telecommunicationsの携帯電話関連事業にはKANGSONG NETの代理店も含まれる。
Loxpac (Thailand)はタイの首都・バンコク都(クルンテープ都)に本社が所在しており、旧社名はLoxley Pacificである。
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