平壌国際空港(順安空港)の新ターミナルに電気製品ショップがオープン
朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)を代表する空の玄関口で、順安空港とも呼ばれる平壌国際空港(FNJ)の第2ターミナルが2015年7月1日に開業した。
これまで使用されていた第1ターミナルは国内線専用となり、国際線で活用される第2ターミナルは第1ターミナルと比べて大型化し、各種売店も充実している。
腕時計、民族衣装、レストランなど様々なカテゴリの売店が入居しているが、今回は北朝鮮を訪問して第2ターミナルに入居する電気製品の売店を確認してきた。
電気製品の売店の外壁にはArirang (アリラン/아리랑)ブランドのスマートフォンが描かれ、スマートフォンを購入できるかもしれないと期待したが、スマートフォンは販売されていなかった。(※補足を参照)
北朝鮮メディアによる開業直前の報道では電気製品の売店にスマートフォンが並べられている様子が映されており、それを把握した上で訪問したため残念に感じた。
この件について詳しく話を聞くと、当初はスマートフォンを販売する計画があったことは間違いないが、スマートフォンの販売はSIMカードの取扱店のみで十分と判断し、スマートフォンの販売は中止したという。
残念に思っていたところ、指導員に「空港でスマートフォンを売ったところで買っていくのはあなたくらいですよ。」と言われてしまった。
過去に、第1ターミナルではkoryolink (高麗網/고려망/高麗リンク/コリョリンク/고려링크)ブランドを展開するCHEO Technology JV Company (逓オ技術合作会社/체오기술합작회사)のブースが設置されており、訪朝外国人を対象としてSIMカードを販売していた。
しかし、SIMカードを購入する訪朝外国人は少ない模様で、第2ターミナルはCHEO Technology JV Companyのブースの設置が見送られた。(※補足を参照)
これにより、平壌国際空港ではSIMカードの購入が不可となったため、この点についても残念に感じた。
電気製品の売店では北朝鮮ブランドのタブレットやUSBフラッシュメモリなどを販売しているが、それ以上に日本ブランドのカメラを含む輸入品が多く、北朝鮮ブランドの電気製品を求めて訪問すると期待外れに感じるかもしれない。
第2ターミナル内は自由に探検できるが、平壌発の航空便が朝であれば探検する時間に余裕がないため、平壌到着時に探検しておくことを推奨する。
売店が充実して土産品も売っているため、一通り探検する価値はあるだろう。
第1ターミナルより大型化して歩く距離が長くなったことは面倒であるが、チェックインカウンターが増えてチェックインに要する時間は短縮化したことや、トイレが綺麗になったことは非常に嬉しく感じた。
今後は第2ターミナルを更に拡張する計画で、すでに工事を進めている様子も確認できたが、より充実した空港となることに期待したい。
余談ではあるが、北朝鮮国営の航空会社であるAIR KORYO (高麗航空/コリョ航空/고려항공)の北京線は2016年より運賃を値上げする計画で、また2015年中には日本人を対象としてAIR KORYOの上海線を利用した個人向け旅行の手配を開始する計画があることも教えてもらった。
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電気製品の売店の外壁にはArirangブランドのスマートフォンであるArirang AS1201 (アリランAS1201/아리랑AS1201)とArirang AP121 (アリランAP121/아리랑AP121)が描かれている
■捕捉
2016年第1四半期頃より平壌国際空港でスマートフォンの販売を再開したとの情報を得ている。
また、2016年第2四半期の時点でSIMカードの販売も再開しており、第2ターミナルの到着口すぐの両替所が代理で販売を手掛ける。
北朝鮮のSIMカードに関する詳細は関連記事を参照されたい。
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平壌国際空港の第2ターミナルを視察するにあたり、貴重な情報を教えてくれた電気製品の売店に勤めるスタッフや丁寧に案内してくれた北朝鮮の指導員に感謝したい。
問い合わせなどがあれば、paopao0128[at]gmail.comまで気軽に連絡をいただければ幸いである。 ※ [at]は@に置き換え
その他、Facebook、Instagram、Twitterにおいても北朝鮮関連の情報や写真を公開しているので、気になれば目を通していただきたい。
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