koryolinkに出資するOrascom Investment Holding、2019年Q3の業績を発表
エジプトのOrascom Investment Holding (OIH)は2019年第3四半期の連結業績を発表した。
2019年9月30日に終了した9ヶ月間となる2019年第3四半期累計の連結売上高は前年同期比7.63%減の10億9,000万エジプトポンド(約73億7,733万円)、純損益は前年同期比108.64%減で9,241万エジプトポンド(約6億2,542万円)の赤字となった。
前年同期比で減収と赤字転落を記録したことになる。
Orascom Investment Holdingは旧社名がOrascom Telecom Media and Technology Holding (OTMT)で、2018年7月9日を効力発生日として社名を変更した。
過去には電気通信分野を主要事業としていたが、売却して電気通信分野の事業を縮小しており、一方で電気通信分野以外の事業を拡大している。
電気通信分野は飽和状態にあるため、ポートフォリオを多様化する新戦略を採用したと説明しており、電気通信分野が中心の企業から様々な分野に投資する多角的な企業に生まれ変わる方針を社名に反映させた。
不動産開発、運輸物流、食品産業など様々な分野に進出しており、もはや電気通信分野は主要事業ではない。
電気通信分野の事業は朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)、レバノン、パキスタンで継続している。
北朝鮮では同国の政府機関で電気通信分野の規制を管轄する逓信省(Ministry of Posts and Telecommunications:MPT)が完全所有する国営企業のKorea Posts and Telecommunications Corporation (朝鮮逓信会社:KPTC)と共同で合作会社としてCHEO Technology JV Company (逓オ技術合作会社)を設立し、ブランド名をkoryolinkとして移動体通信事業を展開する。
CHEO Technology JV Companyに対する持分比率はOrascom Investment Holdingが75%、Korea Posts and Telecommunications Corporationが25%となり、Orascom Investment Holdingが過半を保有しているが、Orascom Investment HoldingはCHEO Technology JV Companyを支配できていないと結論付け、2015年第3四半期に子会社から関連会社に変更した。
なお、koryolinkには朝鮮語名称として高麗網が存在し、北朝鮮国内では高麗網としての認知度も高まっている。
国際連合安全保障理事会(United Nations Security Council)において採択された決議で北朝鮮における合弁事業などは一部の例外を除いて原則として認められていないが、Orascom Investment Holdingは継続の許可を取得したため、CHEO Technology JV Companyの事業は継続できる。
レバノンでは子会社のOrascom Telecom Lebanonがレバノンの政府機関で電気通信分野の規制を担う電気通信省(Ministry of Telecommunications)と移動体通信事業関連の国有資産の管理契約を締結し、Orascom Telecom Lebanonが管理契約に基づきレバノン国有の移動体通信事業者(MNO)であるMobile Interim Company 1 (MIC1)を管理している。
Orascom Telecom Lebanonに対する持分比率は99.8%で、Mobile Interim Company 1はブランド名をAlfaとして展開する。
パキスタンでは移動体通信事業ではないが、Transworld Associates (TWA)を通じて光ファイバケーブルの敷設などを手掛けており、Transworld Associatesに対する持分比率は51%となっている。
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