NTTドコモの3.4GHz-3.5GHz帯5G基地局が技適通過、無線装置はサムスン電子
- 2021年11月19日
- docomo-SAMSUNG
総務省(Ministry of Internal Affairs and Communications:MIC)は技術基準適合証明や工事設計認証などを通過した機器の情報を更新した。
NTT DOCOMOが申請した基地局「BS3201形BDEEX(F)BS4001形34L4CSRU(SS)-3.4G基地局装置」、「BS3201形BDEEX(N)BS4001形34L4CSRU(SS)-3.4G基地局装置」、「BS3201形BDEEX(F)BS4001形34L4CRRU(SS)-3.4G基地局装置」、「BS3201形BDEEX(N)BS4001形34L4CRRU(SS)-3.4G基地局装置」が2021年10月28日付けでTelecom Engineering Center (TELEC)を通じて電波法に基づく工事設計認証を取得したことが分かった。
工事設計認証番号はそれぞれ001-A18307、001-A18308、001-A18309、001-A18310である。
いずれも特定無線設備の種別は証明規則第2条第11号の29に規定する特定無線設備で、サブ6GHz帯のTDDの5G-NR用基地局に該当する。
申請者および特定無線設備の種別からNTT DOCOMO向けの第5世代移動通信システム(5G)の無線方式であるNR方式の基地局と分かる。
すべて中心周波数は3480MHzで、帯域幅は80MHz幅で動作するため、周波数範囲は3440~3520MHzとなる。
3480~3520MHzは第4世代移動通信システムの導入のための特定基地局の開設計画の認定で割当を受けた3.5GHz帯、3440~3480MHzは第4世代移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画の認定で割当を受けた3.4GHz帯である。
3.4GHz帯と3.5GHz帯は割当時期が異なるが、連続した80MHz幅の確保に成功している。
第4世代移動通信システム(4G)向け周波数であるため、すでに4Gの無線方式であるLTE方式で使用しているが、NR方式を導入することになる。
LTE方式では1搬送波あたりの帯域幅が最大20MHz幅であるため、3.4GHz帯および3.5GHz帯では1搬送波が20MHz幅で4搬送波を運用しているが、サブ6GHz帯を中心とするFR1のNR方式では1搬送波あたりの帯域幅が最大100MHz幅で、80MHz幅の運用にも対応することから、3.4GHz帯と3.5GHz帯を80MHz幅の1搬送波として運用する模様である。
無線装置(Radio Unit:RU)は機器名称からSRUまたはRRUの判別が可能で、出力はSRUが0.9819~7.7794W、RRUが19.1452~152.0758Wとなっている。
SRUはスモールセル向け無線装置の小型低出力張出し無線装置(low power Small Radio Unit)、RRUはマクロセル向け無線装置の張出し無線装置(Regular power Radio Unit)であるため、SRUが低出力で、RRUが高出力となる。
括弧内の略号はベンダを意味し、NTT DOCOMOにNR方式の無線装置を納入した実績を有するベンダとしてはFがFUJITSU (富士通)、NがNEC (日本電気)を意味する。
SSはNTT DOCOMO向け無線装置としては初登場であるが、すでに韓国のSamsung Electronics (サムスン電子)がNTT DOCOMOにNR方式の無線装置を納入する計画を発表しており、略号はSamsungに由来すると推測できるため、無線装置はSamsung Electronics製と考えられる。
NTT DOCOMOが開設する3.4GHz帯および3.5GHz帯の5Gの基地局ではSamsung Electronics製の無線装置が登場することになる。
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