Orascom Investment Holdingの2021年通期の業績が判明、北朝鮮のkoryolinkに出資
- 2022年09月03日
- DPRK
エジプトのOrascom Investment Holding (OIH)は2021年通期の連結業績を発表した。
2021年12月31日に終了した12か月間となる2021年通期の継続事業の売上高は前年同期比68.71%減の2億2,866万4,000エジプトポンド(約16億5,022万円)、継続事業の税引後損失は前年同期比42.07%増の8,638万6,000エジプトポンド(約6億2,335万円)、当期純損益は前年同期比199.02%増の3億8,535万1,000エジプトポンド(約27億8,063万円)の黒字となった。
2020年から2022年までに複数の大規模な事業から撤退したほか、2021年には新設分割による会社分割を実行しており、一連の動きが業績に反映されている。
電気通信分野の事業としてはレバノンでは連結子会社でレバノンのOrascom Telecom Lebanon (OTL)がレバノンの移動体通信事業者(MNO)であるMobile Interim Company 1 (MIC1)を管理していたが、2020年9月7日に管理権をレバノンの政府機関で電気通信行政を担う電気通信省(Ministry of Telecommunications:MoT)に移管した。
そのため、Orascom Telecom Lebanonは2020年9月7日をもって事業を終了し、Orascom Investment Holdingとしてはレバノンから撤退することになった。
なお、Orascom Investment HoldingのOrascom Telecom Lebanonに対する持分比率は99.8%である。
Mobile Interim Company 1はAlfaの商標を使用して携帯通信事業を行う。
海底ケーブル事業は連結子会社でパキスタンのTransworld Associates (TWA)を通じて参画していたが、2022年1月25日付けでOrascom Investment Holdingが保有していたTransworld Associatesの株式の51%を売却し、海底ケーブル事業から撤退を完了している。
電気通信分野の事業は段階的に縮小しているが、朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)における携帯通信事業は継続しており、Orascom Investment Holdingにとって唯一の電気通信分野の事業となっている。
北朝鮮ではOrascom Investment Holdingの関連会社で北朝鮮の移動体通信事業者であるCHEO Technology JV Company (逓オ技術合作会社)を通じて携帯通信事業を行う。
koryolink (高麗リンク)の商標を使用して携帯通信事業を展開するが、朝鮮語の名称として高麗網、携帯電話番号帯に由来する191の呼称も一般に定着している。
CHEO Technology JV Companyに対する持分比率はOrascom Investment Holdingが75%、北朝鮮の政府機関で電気通信行政などを担う情報産業省(Ministry of Information and Communications Technology Industry:MICTI)が完全所有する北朝鮮の国営のKorea Posts and Telecommunications Corporation (朝鮮逓信会社:KPTC)が25%である。
Orascom Investment Holdingの持分比率は過半を上回るが、2015年第3四半期の期間に位置付けを連結子会社から関連会社に変更した。
CHEO Technology JV Companyの運営を主導するKorea Posts and Telecommunications Corporationは移動体通信事業者としてkoryolinkとは異なる携帯通信事業も展開しており、koryolinkを整備していない地域を中心にKANGSONG NET (強盛網)として携帯通信網を整備している。
Orascom Investment Holdingは電気通信分野の事業を縮小する一方で、様々な分野の事業を多角的に展開することになった。
エジプトを中心として都市文化開発分野の事業を主力事業とする計画である。
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