タイのdtac、5G向けに3.5GHz帯の割当を勧告
- 2019年12月16日
- 海外携帯電話
タイの移動体通信事業者(MNO)であるdtac TriNetの親会社でタイのTotal Access Communicationは第5世代移動通信システム(5G)向けに3.5GHz帯の割当を行うようタイの政府機関で電気通信分野の規制を司る国家放送通信委員会(National Broadcasting Telecommunications Commission:NBTC)に勧告したと発表した。
国家放送通信委員会は2020年2月に周波数オークションを実施して2.6GHz帯を5G向けに割当する計画であるが、Total Access Communicationは国家放送通信委員会の計画に対して複数の勧告を行ったという。
まず1点目は3.5GHz帯を割当するように求めている。
2.6GHz帯の割当は否定していないが、3.5GHz帯は世界的に5Gで使われる周波数であるため、その点を重視して時期を調整してでも割当する周波数に3.5GHz帯を含める必要があると主張した。
なお、世界的には5Gを導入した移動体通信事業者のうち、米国以外では一部の移動体通信事業者を除いたほとんどの移動体通信事業者が3.5GHz帯を使用する状況にある。
タイが属する東南アジアやその他のアジア各国でも3.5GHz帯で5Gを導入済みまたは導入することが分かっている。
2点目は帯域幅の上限を設定するよう求めている。
2.6GHz帯は190MHz幅が割当の対象となるが、割当が1社に偏ることなく、十分な数の移動体通信事業者が5Gを整備できるよう1社あたりの取得できる帯域幅に上限を設定する必要があると主張した。
また、参加者の数に応じて柔軟に上限を検討する必要があるとも加えている。
3点目は干渉や使用制限に関して明確化するよう求めている。
2.6GHz帯のうち20MHz幅はすでに使用されているが、周波数の適切な評価を行うために干渉や使用制限などの情報を入手しなければならない。
そのため、干渉や使用制限に関して明確な情報を提供する必要があると主張した。
4点目は適切な開始価格を設定するよう求めている。
タイでは周波数オークションの開始価格が高く、流札もしくは落札額が高騰する事例が過去にある。
その点も踏まえて、設備投資を妨げない適切な開始価格に設定する必要があると主張した。
5点目は不適格な参加者を事前に排除するよう求めた。
過去に落札額を支払えずに周波数の割当を取消し、割当のプロセスを最初から再試行した事例もある。
無駄なプロセスを削減するためにも、参加者の審査は厳格に行う必要があると主張した。
なお、タイでは2.6GHz帯と呼称しているが、世界的には2.5GHz帯と呼ばれる周波数と共通と思われる。
Total Access Communicationは5Gで2.6GHz帯を使用する移動体通信事業者の例としてSoftBank Groupの子会社で米国のSprintやChina Mobile (中国移動)として事業を行うChina Mobile Communications Group (中国移動通信集団)を挙げており、両社はNR方式のn41を導入している。
タイで割当する2.6GHz帯もNR方式ではn41に該当する可能性が極めて高い。
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