シリア政府がSyriatel Mobile Telecomの接収も、大統領の従兄弟が経営
- 2020年05月19日
- 海外携帯電話
シリア政府は同国の移動体通信事業者(MNO)であるSyriatel Mobile Telecomの接収も視野に入れて処分を検討していることが分かった。
Syriatel Mobile Telecomの会長を務めるラーミー・マフルーフはFacebookを通じて数度にわたり声明を発出し、シリアの政府機関で電気通信分野の規制を司る通信技術省(Ministry of Communications and Technology:MOCT)およびシリア電気通信郵便規制局(Syrian Telecommunications & Post Regulatory Authority:SY-TPRA)が国家のための支払いを要求してきたという。
また、シリア電気通信郵便規制局はSyriatel Mobile Telecomに対して取締役会の退陣も要求し、応じなければ関係者の拘束やSyriatel Mobile Telecomの接収も視野に入れていることを伝えた模様である。
これまでに、シリアの治安当局はSyriatel Mobile Telecomの関係者の一部を拘束したことも分かっている。
Syriatel Mobile Telecomは関係者の拘束やシリア電気通信規制局の要求を不当として反発しており、シリア電気通信郵便規制局が提示した期限から約2週間が経過しても支払いを拒否している状況で、シリア電気通信郵便規制局はFacebookを通じて支払われるべき金額を回収するためにすべての法的措置を執る構えを示した。
ラーミー・マフルーフはシリアの大統領であるバッシャール・アル=アサドの従兄弟で、シリアの移動体通信事業者であるMTN Syriaにも関与するなど電気通信分野をはじめとするシリアの経済界を支配している。
経済面でシリアの体制を支える役割を果たすとして複数の国の政府から制裁対象者に指定されており、日本国政府は2011年にバッシャール・アル=アサドのほかに関係者としてラーミー・マフルーフやSyriatel Mobile Telecomも制裁対象者に指定した。
これまで、ラーミー・マフルーフはシリアの体制を支える存在として知られてきたが、Syriatel Mobile Telecomの問題でシリア政府側と対立していることが鮮明となった。
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