タイのdtac、一部店舗でミリ波の5Gを整備
- 2020年08月23日
- 海外携帯電話
タイの移動体通信事業者(MNO)であるdtac TriNetは一部の販売店で第5世代移動通信システム(5G)を整備したことが分かった。
dtac TriNetは5G向け周波数としてサブ6GHz帯の700MHz帯とミリ波(mmWave)の26GHz帯を取得しており、700MHz帯と26GHz帯を使用して5Gを整備することが決まっている。
5Gサービスは商用化していないが、まずはタイ全土でdtac service centerとして展開する販売店のうち7店舗において、26GHz帯を使用してNR方式に準拠した5Gネットワークを構築したという。
5Gネットワークを構築したdtac service centerには中国のHuawei Technologies (華為技術)製のHUAWEI Mate Xsを展示しており、店舗内限定ながらHUAWEI Mate Xsで5Gの高速通信を試すことができる。
展示するHUAWEI Mate Xsは26GHz帯の5Gに対応した試作機であるため、一般販売は実施しない。
なお、HUAWEI Mate Xsはタイを含めた複数の国で販売しているが、一般販売する製品では5Gの周波数はサブ6GHz帯に対応しており、ミリ波には対応していない。
dtac TriNetはタイで初めてスマートフォンを用いて26GHz帯の5Gの試験を開始したと説明している。
これまで、タイの5社の移動体通信事業者のうちAdvanced Wireless Network (AWN)およびTrue Move H Universal Communicationの2社が5Gサービスを商用化しており、大手3社の移動体通信事業者としてはdtac TriNetの1社が5Gサービスを商用化できていない。
5Gの導入初期は2.5GHz帯から4.5GHz帯の周波数の使用が多く、タイで5Gサービスを商用化した移動体通信事業者はいずれも2.5GHz帯を使用しており、世界的にはミリ波の導入事例は依然として少ない。
タイでは政府機関で電気通信分野の規制を司る国家放送通信委員会(National Broadcasting Telecommunications Commission:NBTC)が700MHz帯、2.5GHz帯、26GHz帯を5G向けに割当したが、大手3社の移動体通信事業者としてはdtac TriNetの1社が2.5GHz帯を取得できず、5Gの導入初期に適した周波数を確保できなかった。
そのため、dtac TriNetは広い帯域幅で高速通信を実現できる26GHz帯の試験を先行して実施し、早期に26GHz帯を使用した5Gサービスを導入して巻き返しを図る計画と思われる。
なお、dtac TriNetの親会社でタイのTotal Access Communicationは5G向け周波数の割当に関して、国家放送通信委員会に世界で最も導入事例が多い3.5GHz帯の割当を実施するよう勧告したが、国家放送通信委員会は受け入れなかった。
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