シンガポールのSingtel、5Gサービスのトライアルを開始
- 2020年09月01日
- 海外携帯電話
シンガポールのSingapore Telecommunications (新加坡電信)の完全子会社で同国の移動体通信事業者(MNO)であるSingtel Mobile Singaporeは第5世代移動通信システム(5G)のトライアルを開始した。
2020年9月1日よりNR方式に準拠した5Gサービスのトライアルを期間と対象の回線を限定して提供する。
5Gサービスのトライアルは20,000回線を対象として3ヶ月に限定して追加料金なしで提供し、個人顧客と法人顧客の両方とも適用できる。
指定の料金プランに加入して5Gに対応したスマートフォンを購入することが適用の条件として設定されている。
対象の回線には所定のデータ通信容量に10GBのデータ通信容量が追加される。
20,000回線の内訳は10,000回線が2020年8月31日以前から指定の条件を満たしている回線、残りの10,000回線が2020年9月1日以降に指定の条件を新たに満たす回線となる。
17時以降に条件を満たした場合は加入日の翌日に5Gの有効化やデータ通信容量の追加を反映する。
指定の5Gに対応したスマートフォンは中国のHuawei Technologies (華為技術)製のHUAWEI P40 ProおよびHUAWEI P40 Pro+、韓国のSamsung Electronics (サムスン電子)製のSamsung Galaxy S20 Ultra 5G、中国のvivo Mobile Communication (維沃移動通信)製のvivo X50 Proで、いずれもソフトウェアのアップデートを適用する必要がある。
ほかにHuawei Technologies製のHUAWEI Mate 30 Pro 5G、HUAWEI Mate Xs、HUAWEI nova 7 SE 5G、中国のGuangdong OPPO Mobile Telecommunications (OPPO広東移動通信)製のOPPO Find X2 Proも5Gに対応している。
5Gサービスのトライアルを利用できるエリアは2020年9月末時点で18ヶ所となる予定で、2021年3月末までに8ヶ所を新たに追加する計画である。
ただ、トライアルは3ヶ月の期間限定であるため、2021年3月までには商用に切り替えると思われる。
周波数はサブ6GHz帯の2.1GHz帯と3.5GHz帯を使用している。
5Gの通信方式はNR方式のノンスタンドアローン(NSA)構成で、NR Bandは2.1GHz帯がFR1のn1、3.5GHz帯がFR1のn78となる。
2.1GHz帯は第3世代移動通信システム(3G)のW-CDMA方式や第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式で使用する既存の周波数で、3.5GHz帯はシンガポールの政府機関で電気通信分野の規制を司る情報通信メディア開発庁(Info-communications Media Development Authority:IMDA)より5G向けとして新たに割当を受けた周波数である。
情報通信メディア開発庁は3.5GHz帯では2021年1月以降にNR方式のスタンドアローン(SA)構成で5Gを整備および運用するよう規定していたが、2020年6月に3.5GHz帯で5Gを運用するための免許をSingtel Mobile Singaporeに対して交付した。
Singtel Mobile Singaporeは3.5GHz帯で5Gを運用できるが、SA構成ではなくNSA構成で早期に運用を開始することから、商用ではなくトライアルと位置付ける。
SA構成の準備が整い次第、5Gサービスを正式に商用化する見込み。
これまでに、シンガポールの移動体通信事業者としてはStarHub Mobileが5Gサービスを提供する。
StarHub Mobileも5G向け周波数として3.5GHz帯の割当を受けているが、Singtel Mobile Singaporeと同様にSA構成の実装が義務付けられている。
早期にSA構成を実装することは難しいため、StarHub Mobileは3.5GHz帯を使用せずに2.1GHz帯で5Gサービスを商用化した。
2.1GHz帯は3.5GHz帯より帯域幅が狭く通信速度も遅くなるため、Singtel Mobile Singaporeはトライアルながらシンガポールで初めて3.5GHz帯を使用することを強調している。
Singtel Mobile Singaporeでは1Gbps以上に達する本当の5Gの通信速度を実現できるという。
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