台湾の亞太電信が5Gサービスの開始を延期
- 2020年10月02日
- 海外携帯電話
台湾のHon Hai Precision Industry (鴻海精密工業)の子会社で台湾の移動体通信事業者であるAsia Pacific Telecom (亞太電信)は第5世代移動通信システム(5G)の商用化を延期したことが分かった。
Asia Pacific Telecomは2020年9月25日付けで韓国のSamsung Electronics (サムスン電子)製のスマートフォンであるSamsung Galaxy S20 FE 5Gの取り扱いに関して発表しており、同時に5Gサービスを2020年11月に商用化する計画を明らかにした。
これまで、Asia Pacific Telecomは5Gサービスの商用化に関して数回にわたり言及しており、まずは2020年6月17日に開催した109回定時総会に合わせて2020年第3四半期に商用化する予定と発表した。
直近では2020年8月4日付けでフィンランドのNokiaより5Gのコアネットワークおよび無線アクセスネットワーク(RAN)の通信機器を調達する計画を発表時にも商用化の時期は2020年第3四半期中と案内していた。
しかし、2020年9月25日の時点では商用化の時期を2020年11月に変更しており、5Gサービスの商用化は事実上の延期となった。
Asia Pacific Telecomは5G向け周波数としてミリ波(mmWave)の28GHz帯を取得しており、2020年7月29日付けで台湾の政府機関である国家通訊伝播委員会(National Communications Commission:NCC)より28GHz帯を使用した5Gサービスの免許を取得した。
ただ、Asia Pacific Telecomは取得を断念したサブ6GHz帯の3.5GHz帯も使用できるよう模索し、2020年9月4日付けで台湾の移動体通信事業者で3.5GHz帯を取得したFar EasTone Telecommunications (遠傳電信)と3.5GHz帯を共有することで合意している。
そのため、Asia Pacific Telecomは自ら取得した28GHz帯とFar EasTone Telecommunicationsが保有する3.5GHz帯を使用して5Gサービスを提供することになる。
なお、Far EasTone Telecommunicationsは2020年7月1日に5Gサービスを商用化しており、5Gの通信方式はNR方式のノンスタンドアローン(NSA)構成を導入し、3.5GHz帯のNR BandはFR1のn78となる。
n78は世界で最も導入事例が多いNR Bandで、Asia Pacific Telecomも3.5GHz帯ではn78を導入することが事実上確定した。
5Gの通信設備はAsia Pacific TelecomがNokiaを採用し、Far EasTone TelecommunicationsはスウェーデンのEricssonを採用することが分かっている。
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