シンガポールのSingtelが2021会計年度Q3の業績を発表
- 2021年02月15日
- 海外携帯電話
シンガポールのSingapore Telecommunications (新加坡電信:Singtel/新電信)は2021会計年度第3四半期の業績を発表した。
2020年12月31日に終了した9ヶ月間となる2021会計年度第3四半期累計の連結売上高は前年同期比7.7%減の116億6,300万シンガポールドル(約9,239億2,016万円)、EBITDAは前年同期比17.1%減の29億1,000万シンガポールドル(約2,305億2,454万円)となった。
未監査の業績報告では当期純利益を開示していないが、業績の発表に伴い事業別の業績を案内している。
連結子会社を通じて行う携帯通信事業の売上高はシンガポールの携帯通信事業が前年同期比22.5%減の14億1,800万シンガポールドル(約1,123億3,120万円)、豪州(オーストラリア)の携帯通信事業が前年同期比6.9%減の40億3,800万豪州ドル(約3,287億233万円)で、それぞれ全体の12.2%と35.6%を占有しており、連結子会社を通じて行う携帯通信事業は合計で47.8%と50%近くを占めたことになる。
携帯通信事業には携帯通信サービスの提供や携帯端末の販売などが含まれる。
シンガポールでは完全子会社でシンガポールの移動体通信事業者(MNO)であるSingtel Mobile Singapore、豪州では完全子会社で豪州の移動体通信事業者であるOptus Mobileが担当する。
2020年12月31日時点の事業データも公表した。
Singtel Mobile Singaporeの携帯通信サービスに関して、加入件数はポストペイド回線が前年同期比3.6%増の276万9,000件、プリペイド回線が前年同期比12.5%減の139万3,000件、合計で前年同期比2.4%減の416万2,000件となった。
2020年12月31日に終了した3ヶ月間に限定したARPUはポストペイド回線が前年同期比26.2%減の29シンガポールドル(約2,297円)、プリペイド回線が前年同期比22.2%減の13シンガポールドル(約1,030円)、総合が前年同期比23.9%減の23シンガポールドル(約1,822円)、平均月間データ通信量は前年同期比15.7%増の6GBである。
シンガポールでは固定通信の整備が充実しており、さらに昨今の影響で外出の機会も減少しているため、平均月間データ通信量は東南アジアの国としては比較的少ない水準で推移している。
Optus Mobileの携帯通信サービスに関して、加入件数は音声通話対応のポストペイド回線が前年同期比1.6%減の572万9,000件、音声通話対応のプリペイド回線が前年同期比14.4%減の299万7,000件、データ通信専用回線が前年同期比4.3%増の124万9,000件となり、昨今の遠隔業務の需要の増大などを受けてデータ通信専用回線は加入件数が伸長した。
2020年12月31日に終了した3ヶ月間に限定したARPUは音声通話対応のポストペイド回線が前年同期比2.1%減の37豪州ドル(約3,012円)、音声通話対応のプリペイド回線が前年同期比0.7%減の18豪州ドル(約1,465円)、データ通信専用回線が前年同期比9.3%増の21豪州ドル(約1,709円)、総合が前年同期比0.4%減の29豪州ドル(約2,361円)、平均月間データ通信量は前年同期比22.5%増の14GBとなった。
シンガポールと豪州いずれもプリペイド回線は観光客など短期滞在者を主な対象として販売してきたが、国際的な渡航および入国の制限を受けて加入件数が大幅に減少している。
2021会計年度の携帯通信事業に関する主な取り組みとして、Singtel Mobile Singaporeは第5世代移動通信システム(5G)のNR方式に準拠したトライアルサービスの提供を開始し、すでに5Gを商用化したOptus MobileはNR方式でキャリアアグリゲーション(CA)を導入して通信速度を高速化した。
なお、Singapore Telecommunicationsはシンガポールと豪州以外では関連会社を通じて携帯通信事業を展開しており、フィリピンのGlobe Telecom、タイのAdvanced Wireless Network (AWN)、インドネシアのTelekomunikasi Selular (Telkomsel)、インドのBharti Airtelが移動体通信事業者として携帯通信事業を行う主要な関連会社となる。
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