クアルコム、IoT向け5G通信モデムを発表
- 2021年05月25日
- その他モバイル端末
米国のQualcommの完全子会社で同国のQualcomm Technologiesは通信モデム「Qualcomm 315 5G IoT Modem-RF System」を発表した。
第5世代移動通信システム(5G)に対応かつ産業用のIoT向けに最適化して開発した通信モデムである。
高速かつ低電力で強力なIoTソリューションを実現する通信モデムで、様々な業界の需要を満たすことができるという。
通信方式は5GのNR方式に加えて第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式に対応する。
NR方式は単独で動作するスタンドアローン(SA)構成に対応しており、LTE方式と連携して動作するノンスタンドアローン(NSA)構成では動作しない。
帯域幅は最大で100MHz幅となる。
サブ6GHz帯のFR1で定義されたFDDおよびTDDはの周波数を利用できる。
下りは4×4 MIMOおよび256QAM、上りは64QAMに対応しており、通信速度は下り最大1.54Gbps/上り最大330Mbpsとなっている。
NR方式とLTE方式の周波数共有技術および切り替えにも対応している。
LTE方式は700MHz帯から3.6GHz帯までの範囲でFDDおよびTDDの周波数を利用できる。
LTE DL Category 13およびLTE DL Category 5に対応し、通信速度は下り最大400Mbps/上り最大75Mbpsとなる。
下りはキャリアアグリゲーション(CA)、4×4 MIMO、256QAMに対応しており、上りは64QAMに対応する。
NR方式のNSA構成には非対応となるが、産業用途における利用を想定したことがNSA構成に非対応とした主な理由である。
NSA構成では広い帯域幅を使用した場合に5Gの主要な機能のひとつであるeMBB (超高速大容量)を実現できるが、5Gの主要な機能はeMBBに限らない。
URLLC (低遅延高信頼)、mMTC (同時多接続)、ネットワークスライシングなどの5Gの機能はNSA構成では実装できない。
SA構成ではeMBBに加えてURLLC、mMTC、ネットワークスライシングなども実装できるため、5Gの機能を活用する場面の拡大が期待できる。
特に産業用途ではSA構成に限り実現できる機能の実装が重要となる。
また、産業用途で長期間の利用を想定しているため、サポートは2029年まで最低8年間にわたり提供する。
2021年後半に販売を開始する予定である。
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