総務省がソフトバンクに行政指導、5G基地局の開設遅延で
- 2021年06月02日
- SoftBank-総合
総務省(Ministry of Internal Affairs and Communications:MIC)はSoftBankに対して700MHz帯および3.4GHz帯の周波数を使用した第5世代移動通信システム(5G)の基地局の開設の遅延を受けて行政指導を実施したことが分かった。
総務省は2021年6月2日付けでSoftBankに対して700MHz帯に係る特定基地局の開設計画および3.4GHz帯に係る特定基地局の開設計画に関する令和2年度(2020年度)5G特定基地局開設の遅延について文書による指導を実施したと発表した。
SoftBankは総務省に対して3.9世代移動通信システム(3.9)の普及のための特定基地局の開設計画および第4世代移動通信システム(4G)の普及のための開設計画の変更申請を行い、総務省は2020年10月23日に変更認定していた。
そのため、SoftBankは同社が指定を受けた700MHz帯および3.4GHz帯の周波数を使用して5Gの基地局を開設することができる。
総務省がSoftBankより2020年度末時点における5Gの基地局の開設状況について報告を受けたところ、2020年度末の開設計画値に対して遅延が見られたという。
そこで、総務省は開設計画の確実な履行の観点からSoftBankに対して文書により指導を行った。
総務省としては引き続き開設計画が確実に履行されるよう必要な指導および監督に努める方針を示している。
なお、SoftBankは2020年度末の開設計画値について700MHz帯の5Gの基地局を3,181局、3.4GHz帯の5Gの基地局を2,425局と定めていたが、実績値は700MHz帯の5Gの基地局が2,728局、3.4GHz帯の5Gの基地局が1,125局となり、いずれも実績値が開設計画値を下回る結果となった。
実績値は700MHz帯の5Gの基地局が開設計画値の85.8%、3.4GHz帯の5Gの基地局では開設計画値の46.4%にとどまった。
遅延の原因は5Gの基地局の開設工事のスケジュールの遅延、5Gネットワークの設計を見直す中で基地局のエリアカバレッジ設計の変更に伴う基地局の設置場所の見直しなど、複合的な要因によるという。
総務省はSoftBankに対して2020年度の700MHz帯および3.4GHz帯の周波数を使用した5Gの基地局の開設不足数については早期にリカバリ計画を策定のうえ、2021年中に不足を解消するよう要求している。
また、5Gの基地局に係る工事スケジュール、工事人員の確保および配置、工事会社および社内関係部署間の意思疎通、工事などの一元的な進捗管理把握のための体制確保などについて改めて見直し、2021年度以降は改善策を実行のうえ外部的な要因にも柔軟に対応できるよう十分に余裕のある開設工事を行うことも求めた。
SoftBankは総務省の指導について、当分の間は毎月末までの取組状況を翌月7月までに総務省に報告する必要がある。
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