koryolinkを運営する北朝鮮の逓オ技術合作会社、3G免許取得から14年
- 2022年01月24日
- DPRK
朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)の移動体通信事業者(MNO)であるCHEO Technology JV Company (逓オ技術合作会社:以下、CHEO)は携帯通信事業の免許を取得して14年が経過した。
CHEOは2008年1月24日付けで北朝鮮の政府機関である逓信省(Ministry of Posts and Telecommunications:MPT)と携帯通信事業の免許に相当する「WCDMA 移動通信奉仕提供及び運営許可合意書」を締結したため、事実上の携帯通信事業の免許を取得してから2022年1月24日で14年を迎えた。
合意書に基づき第3世代移動通信システム(3G)のW-CDMA方式を導入して携帯通信事業を展開することが許可された。
また、2012年12月まで有効とする携帯通信事業の独占権を取得したほか、2015年12月まで有効とする朝鮮民主主義人民共和国外国人投資法に規定される外国投資企業による携帯通信事業の独占権も取得した。
2007年5月にエジプトのOrascom Telecom Holding (以下、OTH)と逓信省が完全所有する国営企業のKorea Posts and Telecommunications Corporation (朝鮮逓信会社:以下、KPTC)が共同で投資してCHEOを設立しており、当初の出資比率はOTHが75%、KPTCが25%である。
ただ、OTHは新設分割によるによる会社分割を実行し、CHEOに関する権利義務をエジプトのOrascom Telecom Media and Technology Holding (以下、OTMT)に移管しており、さらにOTMTは社名をOrascom Investment Holding (以下、OIH)に変更したため、2021年12月末時点の出資比率はOIHが75%、KPTCが25%となっている。
外国投資企業には合作企業、合営企業、外国人企業が定義されており、CHEOは合作企業に該当する。
合作企業とは北朝鮮側と外国人側の投資家が共同で投資かつ北朝鮮側が運営し、契約条件に基づき利潤を分配する企業と定義されているため、CHEOの運営はKPTCが担当することになる。
CHEOは2008年12月15日にkoryolinkとして3Gを商用化し、koryolinkには朝鮮語の名称として高麗網を意味する고려망も用意している。
2.1GHz帯の周波数を使用してW-CDMA方式のBand Iとして運用しており、北朝鮮では最初に3Gを導入した移動体通信事業者となった。
北朝鮮政府は2021年5月にKPTCを完全所有する逓信省などを対象とする政府機関の再編を実行し、逓信省、電子工業省(Ministry of Electronics Industry:MEI)、国家情報化局を廃止して情報産業省(Ministry of Information and Communications Technology Industry:MICTI)を設置した。
逓信省、電子工業省、国家情報化局の機能は情報産業省が承継したため、KPTCは情報産業省が完全所有する。
なお、情報産業省はKPTCも使用する逓信省の紋章を承継している。
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