ノキア製のKDDI向け800MHz帯の5G基地局が技適通過
- 2022年02月04日
- KDDI-総合
総務省(Ministry of Internal Affairs and Communications:MIC)は技術基準適合証明や工事設計認証などを通過した機器の情報を更新した。
フィンランドのNokia Solutions and Networks製の基地局「SCFDMA800MHz(NA-60W-AHCH)」が2022年1月7日付けでTelecom Engineering Center (TELEC)を通じて電波法に基づく工事設計認証を取得したことが分かった。
工事設計認証番号は001-A19068である。
特定無線設備の種別は証明規則第2条第11号の20に規定する特定無線設備および証明規則第2条第11号の33に規定する特定無線設備で、それぞれLTE用基地局等とFDD-5G-NR用基地局に該当する。
第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式および第5世代移動通信システム(5G)のNR方式に対応した基地局となることが分かる。
周波数は800MHz帯に対応しており、LTE方式では帯域幅が10MHz幅で中心周波数が865MHzまたは帯域幅が15MHz幅で中心周波数が867.5MHz、出力が5~30W、NR方式では帯域幅が15MHz幅で中心周波数が867.5MHz、出力が5~60Wとなる。
周波数範囲はKDDIと同社の連結子会社であるOkinawa Cellular Telephone (沖縄セルラー電話)が地域ごとに連携する1の者として割当を受けた860~875MHzで動作するが、Okinawa Cellular TelephoneはEricssonを採用するため、実際はKDDI向けの基地局になると考えられる。
KDDIは800MHz帯の下りの周波数は860~870MHzの10MHz幅をLTE方式、870~875MHzの5MHz幅を第3世代移動通信システム(3G)のCDMA2000方式で使用するが、2022年3月31日をもってCDMA2000方式に準拠したCDMA 1X WINの提供を終了するため、2022年4月1日以降にCDMA2000方式を停波する。
工事設計認証で判明した情報から、KDDIはCDMA2000方式を停波後に800MHz帯でLTE方式の帯域幅を拡張するほか、NR方式も導入する計画と分かる。
基地局の仕様上はLTE方式とNR方式で周波数を動的に共有するダイナミックスペクトラムシェアリング(DSS)も実装できると思われる。
NR BandはFR1のn18またはn26となる見込みで、LTE Bandは18として運用しているが、MFBI (Multi Frequency Band Indicator)を適用して26の端末も許容しており、NR方式でも同様の技術を適用することは十分に考えられる。
800MHz帯で5Gを導入する時期は確定していないが、認証の取得など着実に準備を進めている。
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