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NTTドコモの5G SAを試す、NR-DCで実測3Gbps超も



NTT DOCOMOが導入した5G SAを試したので紹介する。

NTT DOCOMOは第5世代移動通信システム(5G)の無線方式としてNR方式を導入しており、無線アクセスネットワーク(RAN)構成は当初よりノンスタンドアローン(NSA)構成のOption 3xで運用してきたが、新たにスタンドアローン(SA)構成のOption 2も商用化した。

NSA構成のOption 3xは第4世代移動通信システム(4G)の無線方式であるLTE方式と連携して動作するRAN構成である。

コアネットワークには4G向けのEPCを使用しており、アンカーバンドとして機能するLTE方式に常時接続が必須で、E-UTRA-NRデュアルコネクティビティ(NR-DC)を適用してLTE方式とNR方式で同時通信することになる。

SA構成のOption 2はNR方式が単独で動作するRAN構成で、コアネットワークには5G向けの5GCを使用する。

NSA構成のOption 3xでは広い帯域幅を使用する場合に5Gの特徴のひとつである超高速大容量(eMBB)を実現できるが、SA構成のOption 2では超高速大容量に加えて低遅延高信頼(URLLC)、同時多接続(mMTC)、ネットワークスライシングも実装できる。

NTT DOCOMOはSA構成のOption 2に準拠した5Gサービスとして5G SAを提供しており、5G SAではスマートフォン向けに提供を開始すると同時にNRデュアルコネクティビティ(NR-DC)を導入した。

NR-DCの組み合わせはDC_n78A-n257IおよびDC_n79A-n257Iである。

帯域幅は優先の搬送波として機能するFR1のn78とn79が100MHz幅で、FR2のn257は1搬送波が100MHz幅の連続した4搬送波でキャリアアグリゲーション(CA)を適用しているため、FR1の100MHz幅とFR2の400MHz幅で同時通信することになる。

筆者の生活圏内では3か所でNR-DCを導入しており、韓国のSamsung Electronics (サムスン電子)製のGalaxy S22 SC-51Cで試したところ、実測値は最大で下り3Gbps超、上り700Mbps弱を記録した。

基地局を構成する無線装置は3か所のうち1か所がNEC Corporation (日本電気)製、2か所がFUJITSU (富士通)製で、いずれもスモールセル向けの小型低出力張り出し無線装置(low power Small Radio Unit)を使用しているため、エリアは限定的な状況となっている。

基地局の前では高速通信は利用できたが、スマートフォン向けの5G SAは導入初期の時点では実用面でSA構成のOption 2の導入による恩恵を受けることは難しい印象である。

SA構成のOption 2の導入に伴い産業用途では5Gを活用する機会が拡大すると考えられるため、産業用途で本領発揮することに期待しておきたい。

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