格安SIMカードのmineoでWiMAX 2+やキャリアアグリゲーションの利用が可能
- 2014年06月28日
- Column
ケイ・オプティコムが提供する格安SIMカード「mineo」でWiMAX 2+やキャリアアグリゲーションの利用が可能であることを確認した。
mineoはケイ・オプティコムが仮想移動体通信事業者(MVNO)として提供しており、KDDIの設備やネットワークを利用する。
公式ウェブサイトにはau 4G LTE回線を利用とあるが、KDDIが販売する一部スマートフォンで利用可能なWiMAX 2+やキャリアアグリゲーションについては触れられていない。
そこで、KDDIが販売するSamsung Electronics製のスマートフォン「au GALAXY S5 SCL23 (以下、SCL23)」を用いてWiMAX 2+やキャリアアグリゲーションを利用できるのか確認してみた。
mineoの設定方法についてはKDDIのスマートフォンもSIMフリー端末も同等であるため、ケイ・オプティコムのmineoをSIMフリー端末で使う方法を参考にしていただきたい。
■WiMAX 2+
まずは、WiMAX 2+について検証してみた。
WiMAX 2+はWiMAX Release 2.1 Additional Elements方式のサービス名で、2.5GHz帯を使用してUQ Communicationsが提供している。
TD-LTEと互換性を有するように設計されており、現状はWiMAX 2+という名のTD-LTEとなっている。
実際に、海外で販売されているTD-LTE 2500(B41) MHzに対応した端末で接続を確認したとの報告もあり、TD-LTEそのものと考えても差支えないだろう。
SCL23ではBand固定が可能であるため、Band固定でTD-LTE 2500(B41) MHzに固定してみた。
BAND:41となっており、問題なくTD-LTE 2500(B41) MHz、すなわちWiMAX 2+に接続していることが分かる。
UQ Communicationsが提供するWiMAX 2+は、PLMN番号としてはKDDIの440-50とUQ Communicationsの441-10の両方で吹いている。
KDDIはWiMAX 2+ オプションとして提供するが、この場合は440-50に接続している。
au 4G LTEとして提供するFDD-LTEも当然ながら440-50で吹いており、WiMAX 2+とFDD-LTEはどちらも440-50で吹くLTEであり、単に周波数帯が異なるだけということになる。
接続可能な周波数帯は端末側に依存するため、端末側が対応していれば特に制限されることなく接続可能と考えられる。
mineoでWiMAX 2+接続時に通信速度を測定したところ、特に通常の使用では十分すぎるくらいに速度が出た。
上下比率は1:3となっており、理論値はLTE UE Category 4に対応した端末で下り最大110Mbps/上り10Mbpsとなる。
厳密には下り最大109.8Mbps/上り最大10Mbpsだったはず。
速度的には問題ないのであるが、TD-LTE 2500(B41) MHzのエリアが狭すぎるので少々辛く感じた。
■キャリアアグリゲーション
キャリアアグリゲーションはLTE-Advancedの主要技術で、異なる帯域を束ねて利用する。
こちらも端末側に依存しており、端末側が対応していれば特に制限されることなく利用可能と予測して試した。
滋賀県では大津駅-膳所駅近辺、長浜駅-田村駅近辺のみと、2014年5月末時点のキャリアアグリゲーションに対応したエリアは非常に狭いのであるが、幸いにも大津駅-膳所駅近辺はあまり遠くないので、そちらに出向いて雨に濡れながら試してみた。
キャリアアグリゲーションの状態もServiceModeから確認できる。
CAの後に続く数字で判断することが可能で、その状態は下記の3パターンに分けられる。
CA:0→キャリアアグリゲーション利用不可
CA:1→キャリアアグリゲーション利用可能(キャリアアグリゲーション非適用)
CA:2→キャリアアグリゲーション適用中
KDDIの公式ウェブサイトに記載されている住所では大津駅から少し離れているが、大津駅で問題なくCA:1の状態となっていることを確認した。
CA:2の状態、すなわちキャリアアグリゲーションを適用するには、ある程度のデータを流す必要がある。
どれくらいのデータを流す必要があるのかは定かでないが、とりあえずスピードテストのように大容量のデータを流しておけばCA:2の状態になることが多い。
とりあえずスピードテストのアプリであるRBB TODAY SPEED TESTで測定中にServiceModeを見ると、CA:2となりキャリアアグリゲーションを適用していることを確認できた。
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キャリアアグリゲーション適用中のServiceModeの画面。
BAND:18、すなわちFDD-LTE 800(B18) MHzがメインBandとなり、下りのみ異なる帯域を束ねる形となる。
通信速度も測定してみた。
信号強度は-73dBmのそこそこ、昼間の大津駅前でそんなに過疎っていない状況ということを考えると、まずまずの結果と言えるだろう。
理論値は下り最大150Mbpsであるが、接続ユーザも多いであろう既存の2帯域を束ねるので、最高速度はあまり期待できないかもしれないが、実用的には困らない速度は出ている。
不思議なことに、RBB TODAY SPEED TESTで測定中にServiceModeを見てもCA:1のまま、すなわちBAND:18のみで束ねていないケースもしばしば見られた。
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CA:1の状態でキャリアアグリゲーションは利用可能な状態であるが非適用。
キャリアアグリゲーション非適用の状態で通信速度を測定すると、下りはキャリアアグリゲーション適用中と大きく差が出た。
CA:2の状態でも上りは束ねないため、上りの速度はCA:1とCA:2で大きな差はないが、下りの速度では非常に大きな差があり、キャリアアグリゲーション適用中はしっかりと速度が出ていることが確認できる。
以上、mineoのSIMカードではWiMAX 2+、キャリアアグリゲーションともに利用可能であることを確認した。
mineoのSIMで使う端末を検討中であれば、WiMAX 2+およびキャリアアグリゲーションに対応した端末を選べば少し幸せになれるかもしれない。
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