SoftBankがダクト干渉キャンセラー装置を開発、実証実験も実施
- 2017年02月04日
- SoftBank-総合
SoftBankは例年3月初旬頃から11月頃の夕方から深夜および早朝にかけて、中国や韓国などの大陸から九州および日本海沿岸に到来するダクト干渉波を効率的に低減するダクト干渉キャンセラー装置の開発に成功したと発表した。
また、SoftBankは一般財団法人移動無線センター(MRC)と共同で930MHz帯の業務用移動通信サービス(MCA)の中継局でダクト干渉キャンセラー装置を使用して実証実験を実施し、ダクト干渉波の低減効果が得られることを確認したという。
ダクト干渉は気象条件により東シナ海や日本海上空の空気の屈折率が反転した時に、反転層内に電波が閉じ込められるように伝播することから、通常では届かない大陸からの電波が九州や日本海沿岸まで届く伝播現象であり、同一の周波数を使用する無線システムに干渉妨害を与えることがある。
そこで、SoftBankはダクト干渉を中継局で低減するダクト干渉キャンセラー装置を開発したとのことである。
ダクト干渉キャンセラー装置はMCA中継局受信アンテナの直下に設置する副受信アンテナと制御装置で構成されており、副受信アンテナで受信したダクト干渉波を中継局受信アンテナに到来する干渉波と同一振幅かつ逆位相になるよう制御装置で制御し、中継局受信アンテナの信号に加算することでダクト干渉波を低減する。
実証実験では標高618mの北九州市八幡東区権現山の山頂付近にあるMCA北九州中継局に、ダクト干渉キャンセラー装置を設置し、大陸から到来してきたダクト干渉波を15dB以上低減できることを確認したという。
SoftBankは一般財団法人移動無線センターと協力してダクト干渉を受けているMCA中継局に対してダクト干渉キャンセラー装置の導入を検討する方針である。
なお、SoftBankは900MHz帯MCA無線が930MHz帯の新規周波数へ移行する措置の一環としての取り組みとしている。
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