Orascom Investment Holding、北朝鮮koryolinkの利益送金で銀行と交渉
- 2019年05月28日
- DPRK
エジプトのOrascom Investment Holding (OIH)は朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)の移動体通信事業者(MNO)であるCHEO Technology JV Company (逓オ技術合作会社)の利益余剰金の送金方法に関して銀行と交渉していることが分かった。
Orascom Investment Holdingが銀行と交渉中との事実を明らかにした。
CHEO Technology JV Companyはブランド名をkoryolink (高麗網)として北朝鮮で移動体通信事業を展開しており、Orascom Investment Holdingと北朝鮮の政府機関で電気通信分野などの規制を担う逓信省(Ministry of Posts and Telecommunications:MPT)が完全所有する国営企業のKorea Posts and Telecommunications Corporation (朝鮮逓信会社:KPTC)が共同出資する合作企業である。
出資比率はOrascom Investment Holdingが75%、Korea Posts and Telecommunications Corporationが25%となっている。
なお、Orascom Investment Holdingは旧社名がOrascom Telecom Media and Technology Holding (OTMT)で、CHEO Technology JV CompanyはOrascom Telecom Media and Technology Holdingの子会社と位置付けられていたが、2015年第3四半期に子会社から関連会社に変更した。
北朝鮮に対しては国際連合安全保障理事会(United Nations Security Council)などが制裁措置を発動しており、多くの金融機関は一連の制裁措置の影響で北朝鮮に関連した事業への関与を避ける場合が多い。
そのため、Orascom Investment HoldingはCHEO Technology JV Companyの利益余剰金の送金方法に関して銀行と交渉していると考えられる。
国際連合安全保障理事会は北朝鮮に対する追加制裁を講じる決議として2017年9月11日に決議第2375号(2017)を全会一致で採択し、原則として北朝鮮の個人や事業体との既存の合弁事業に係る維持および運営を禁じた。
CHEO Technology JV Companyは北朝鮮の事業体との合弁事業となるため、決議第2375号に従いCHEO Technology JV Companyの合弁事業を原則として採択から120日以内に解消する必要が生じていた。
決議第2375号の対象外として免除の認定を受けるためには、決議第1718号(2006)に基づいて設立された1718委員会の審査を経て1718委員会より免除の認定を受ける必要があり、免除の申請が却下となれば却下日から120日以内に合弁事業を解消する必要がある。
Orascom Investment Holdingは免除の認定を申請した結果、2018年12月30日付けでエジプトの政府機関である投資・フリーゾーン庁(General Authority For Investment and Free Zones)を通じて国際連合安全保障理事会がCHEO Technology JV Companyに係る事業の継続を承認したと通知する書簡を受理した。
これにより、Orascom Investment HoldingはCHEO Technology JV Companyに関連する事業の継続が正式に認められた。
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北朝鮮の首都・平壌直轄市にあるkoryolinkの旗艦店
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