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Digicel Group、中国移動への大洋州事業の売却報道を否定



ジャマイカに本社機能を設置する英領バミューダ諸島のDigicel Groupは中国の国有企業で同国の移動体通信事業者(MNO)であるChina Mobile Communications Group (中国移動通信集団)に対する大洋州事業の売却を否定したことが分かった。

豪州の一部メディアがDigicel Groupは大洋州事業をChina Mobile Communications Groupに売却する可能性を伝え、豪州政府が大洋州地域で中国政府の影響力が強まることを懸念していると報じていた。

報道を受けてDigicel Groupは外国メディアに対して内容を否定し、根拠がないと述べたという。

Digicel Groupは中南米およびカリブ海地域と大洋州で移動体通信事業を展開しており、具体的には英領アンギラ、アンティグア・バーブーダ、蘭領アルバ、バルバドス、英領バミューダ諸島、蘭領ボネール島、英領ヴァージン諸島、英領ケイマン諸島、蘭領キュラソー島、ドミニカ国、エルサルバドル、フィジー、仏領ギアナ、グレナダ、仏領グアドループ、ガイアナ、ハイチ、ジャマイカ、仏領マルティニーク、英領モントセラト、ナウル、パナマ、パプアニューギニア、サモア、セントクリストファー・ネイビス、セントルシア、仏領サン・マルタン島およびサン・バルテルミー島、セントビンセントおよびグレナディーン諸島、スリナム、トンガ、トリニダード・トバゴ、英領タークス・カイコス諸島、バヌアツで移動体通信事業を手掛ける。

大洋州地域ではフィジー、ナウル、パプアニューギニア、サモア、トンガ、バヌアツの6ヶ国で移動体通信事業を展開しており、大洋州諸国の移動体通信事業はDigicel Group傘下でフィジーを拠点とする英領バミューダ諸島のDigicel Pacificが統括している。

パプアニューギニアでは2019年に実施した独立の是非を問う住民投票で独立賛成票が98%超を占めたブーゲンビル自治州でも移動体通信事業を行う。

China Mobile Communications Groupは2020年第1四半期末の時点で中国本土では移動体通信サービスの加入件数が9億4,629万5,000件に達しており、それと比較すると大洋州ではDigicel Pacificが管轄する6ヶ国を合計しても極めて小規模と言える。

ただ、特に大洋州地域の島嶼国は台湾と外交関係を有する国が他地域と比べて多く、中国政府は大規模な経済支援などで存在感を高めるための外交を繰り広げており、その中で国有企業のChina Mobile Communications Groupが移動体通信事業者として新規参入することを模索する可能性は考えられなくはない。

なお、Digicel Pacificは過去に東ティモール(ティモール・レステ)でも移動体通信事業の免許を取得したが、すぐに免許を返上して東ティモールへの新規参入を中止し、代わりにベトナムの国営企業であるViettel Group (軍隊工業通信グループ)が東ティモールに参入したこともある。

REUTERS

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