ASUSがグローバル向けスマホをインドネシアでも製造へ
- 2020年07月12日
- Android関連
台湾のASUSTeK Computer (華碩電脳)はグローバル向けのスマートフォンもインドネシアで製造を開始することが分かった。
ASUSTeK Computerがゲーミングスマートフォンの新機種として準備しているROG Phone 3の型番となるASUS_I003Dが台湾の国家通訊伝播委員会(National Communications Commission:NCC)の認証を通過し、製造者としては中国のGuangdong Enok Communication (広東以諾通訊)およびインドネシアのSat Nusapersadaが記載されている。
そのため、ROG Phone 3はGuangdong Enok CommunicationまたはSat Nusapersadaの工場で製造することが分かる。
Guangdong Enok Communicationは中国の広東省東莞市、Sat Nusapersadaはインドネシアのリアウ諸島州バタム島で工場を運営している。
これまで、ASUSTeK Computerがグローバルで販売するスマートフォンは基本的に中国の工場で製造しており、Guangdong Enok CommunicationもASUSTeK Computerのスマートフォンを製造した実績がある。
インドネシアでは国策で国内製造を推進しているため、ASUSTeK Computerに限らずインドネシア向けスマートフォンは基本的にインドネシアの工場で製造を行い、ASUSTeK ComputerはSat Nusapersadaの工場でインドネシア向けスマートフォンを製造してきた。
従来よりインドネシア向けスマートフォンの製造では協力関係を築いていたが、台湾の認証で製造者として新たにSat Nusapersadaが追加されたため、Sat Nusapersadaの工場で製造したスマートフォンはインドネシア国内に限らず、インドネシア国外でも販売する計画と考えられる。
Sat Nusapersadaは1990年に事業を開始した企業で、インドネシアの企業としては初めて第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式に対応したスマートフォンの製造に成功するなど、インドネシアの製造分野では非常に有名な企業である。
台湾のPegatron (和碩聯合科技)が運営に協力しており、2020年4月にはPegatronが完全子会社のASUS Investmentを通じてSat Nusapersadaの発行済株式の約10%を1,254億インドネシアルピア(約9億3,297万円)で取得するなど、技術面と資本面の両方で支えている。
なお、Pegatronは2008年1月にASUSTeK Computerの製造部門を分離して誕生したが、Pegatronの筆頭株主はASUSTeK Computerで、約17%をASUSTeK Computerが保有している。
Sat Nusapersadaの工場が所在するバタム島は製造業の誘致などを目的として自由貿易地域に指定されており、輸出製品を製造するための原材料の輸入税や輸出製品の付加価値税および輸出税が免除されている。
したがって、Sat Nusapersadaの工場でスマートフォンを製造することは、インドネシア政府の政策に呼応するだけではなく、輸出目的にも適していると言える。
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