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レバノンのAlfaが一部地域で携帯通信サービスを停止



レバノンの移動体通信事業者(MNO)でAlfaとして携帯通信事業を行うMobile Interim Company 1 (以下、MIC1)は一部の地域で携帯通信サービスの提供を停止したことが分かった。

MIC1は2021年8月21日に顧客の申告を受けて状況を説明しており、頻繁に発生かつ長時間にわたる停電が携帯通信サービスの提供の継続に影響を与えているという。

顧客に対しては携帯通信サービスの提供を停止したことを謝罪するとともに、最適な解決策を見つけるために最善を尽くすと説明した。

顧客の申告ではレバノン南部からベイルート県の県都で首都でもあるベイルート市に向かう途中に経由地の南レバノン県の県都・シドン市(サイダ市)に到着するまで圏外となる事象が発生したと報告している。

そのため、シドン市の東部から南部の一部の地域で携帯通信サービスの提供を停止したと推測できる。

MIC1が説明する通りにレバノンでは長時間の停電が頻繁に発生しており、国営の電力事業者が供給する送電網を通じた電力は多くの地域で1日あたり2時間未満となっている。

発電設備の老朽化や発電設備の稼働に必要な燃料の不足が影響し、まったく電力需要を満たせていない。

MIC1はレバノン全土で深刻化する電力事情の悪化を受けて、独自に発電機を配備して通信設備の稼働に必要な電力の確保に努めてきたが、燃料の不足を受けて発電機の運用が困難となる事態も発生している。

また、無停電電源装置は十分に配備できていないが、頻繁に発生かつ長時間にわたる停電の影響で無停電電源装置でも補完することは難しい。

経済危機の渦中のレバノンでは法定通貨のレバノンポンド(LBP)が急落して外貨不足が深刻化し、外国の主要な発電船が未払いを理由としてレバノンに電力の供給を停止したほか、燃料を含めた様々な品目の物品の輸入が困難な状況に陥り、燃料や電力の不足が深刻化した経緯がある。

根本的な原因はレバノンの経済事情の悪化であるため、MIC1の努力で解決することは不可能に近い。

もはやMIC1にとって有効な解決策は存在しないに等しく、やむを得ず一部の地域では携帯通信サービスの提供の停止を余儀なくされた。

2021年8月16日にはMIC1の公式声明でモバイルネットワークの運用に必要な燃料や電力を確保できなければ、携帯通信サービスの提供の停止も十分にあり得ることを示唆していたため、懸念が現実となった。

なお、MIC1は国有の移動体通信事業者である。

第2世代移動通信システム(2G)、第3世代移動通信システム(3G)、第4世代移動通信システム(4G)を導入している。

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