携帯電話事業者各社、事業者間ローミングには賛同
- 2022年10月03日
- 携帯電話総合
総務省(Ministry of Internal Affairs and Communications:MIC)は非常時における事業者間ローミング等に関する検討会の第1回を開催した。
総務省の公式ウェブサイトでは検討会の配布資料を掲載しており、携帯電話事業者各社が提出した資料の内容を確認できる。
NTT DOCOMOは実現に向けた手法や各種課題などを各関係機関および各通信事業者とともに検討および実現することに賛同すると表明している。
KDDIおよびRakuten Mobile (楽天モバイル)はそれぞれ個別に強く賛同すると表明し、実現に向けて前向きに検討するという。
SoftBank Corp.も強く賛同しており、手法に関してはその他の手段も含めて検討および提案する意向を示した。
NTT DOCOMO、KDDI、SoftBank Corp.、Rakuten Mobileいずれも事業者間ローミングの実現には賛同を表明したことになる。
しかし、事業者間ローミングの実現には様々な課題が存在する。
事業者間ローミングの音声通話は第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式で行うVoLTE (Voice over LTE)を想定している。
VoLTEローミングの接続方式としては主にLBO方式とS8HR方式の2種類が存在し、事業者間ローミングを導入する場合はLBO方式を採用して緊急呼発信ローミングもしくはLBO+S8HR方式を採用して一般呼発着信ローミングを実現することになる。
NTT DOCOMOはLBO+S8HR方式では運用上の条件が多く、設備容量の懸念もあるため、早期導入を重視してLBO方式が有力案との考え方である。
KDDIは緊急呼発信の確保であればLBO方式の検討が可能であるが、緊急呼の呼び返しや緊急機関の重要通信の発着信の確保も考慮するとLBO+S8HR方式の検討も必要との考え方を示した。
SoftBank Corp.は設備容量の逼迫を懸念してLBO方式が妥当と説明している。
Rakuten Mobileは緊急呼発信の実現を最優先として、技術的課題、設備容量、カバレッジなどを考慮したうえで、段階的に事業者間ローミングの内容を充実させることが望ましいとの考え方である。
また、Rakuten Mobileは被災事業者のトラヒックを受け入れるためには同等のカバレッジが求められるため、カバレッジの確保に有利なプラチナバンドの再割当が大いに必要とも主張した。
検討会は第2回を開催することが決定している。
第2回は2022年10月4日の15時から開催する予定となっている。
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