香港の中国移動香港がn79の帯域幅を拡張、5Gを高速化
香港特別行政区の移動体通信事業者(MNO)であるChina Mobile Hong Kong (中国移動香港)はn79で帯域幅を拡張したことが分かった。
香港特別行政区では政府機関で電気通信分野などの規制を司る通訊事務管理局(Communications Authority:CA)が周波数の割当を行い、5G向け周波数のひとつとして4.9Ghz帯を割当した。
4.9GHz帯は2回に分けて割当しており、1回目は2019年11月29日、2回目は2021年11月26日に割当を承認している。
China Mobile Hong Kongは1回目で4840~4880MHzの40MHz幅、2回目で4800~4840MHzの40MHz幅を取得したため、最終的に2回の合計で連続した80MHz幅を確保することになった。
5Gの無線方式はNR方式を採用しており、4.9GHz帯ではNR BandはFR1のn79として運用する。
まずはn79を40MHz幅で運用してきたが、2023年4月下旬までに一部の地域で80MHz幅に拡張したことを確認できた。
帯域幅を拡張した地域では5Gの通信速度を高速化している。
基本的には5Gで世界的に主流の周波数である3.5GHz帯を中心に5Gを整備しているが、香港特別行政区では3.5GHz帯制限地帯として3.5GHz帯を利用できないエリアが設定されている。
そのため、3.5GHz帯制限地帯では3.5GHz帯の代わりに4.9GHz帯で5Gを整備することになった。
4.9GHz帯の利用に制限はないが、3.5GHz帯を利用できるエリアでは3.5GHz帯を優先して5Gを整備しているため、当面は3.5GHz帯制限地帯で4.9GHz帯を活用する。
China Mobile Hong Kongは商用の5Gとしてはサブ6GHz帯(Sub6)の複数の周波数でNR方式を導入しているが、n79の80MHz幅が最も帯域幅が広い搬送波となるため、通信速度の理論値はn79を利用した場合に最速となる。
これまでに、n79は日本、中国本土、香港特別行政区の移動体通信事業者が導入しており、マカオ特別行政区の移動体通信事業者も導入する予定であるが、周波数の割当からChina Mobile Hong Kongはn79を80MHz幅で運用する唯一の移動体通信事業者となっている。
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