3香港が2.3GHz帯を5Gに転用、3.5GHz帯の制限エリアで
香港特別行政区の移動体通信事業者(MNO)で3 Hong Kong (3香港)として携帯通信事業を行うHutchison Telephone (和記電話)は3.5GHz帯制限地帯では2.3GHz帯で第5世代移動通信システム(5G)を整備していることを確認できた。
4社の移動体通信事業者が営業する香港特別行政区では5G向け周波数として3.5GHz帯を割当しており、全社が3.5GHz帯を取得した。
3.5GHz帯は5Gで世界的に主流の周波数であるため、4社とも3.5GHz帯を中心に5Gを整備しているが、3.5GHz帯は既存免許人が固定衛星業務で利用している。
3.5GHz帯で5Gを導入した場合に固定衛星業務に影響を与えると想定される場所では3.5GHz帯制限地帯として移動体通信事業者に3.5GHz帯の利用を禁止しているため、移動体通信事業者は3.5GHz帯を利用できない。
Hutchison Telephoneを除く3社は5G向け周波数として4.9GHz帯も取得したため、3.5GHz帯制限地帯では4.9GHz帯を主力の周波数として利用しているが、Hutchison Telephoneは4.9GHz帯を取得していない。
そこで、Hutchison Telephoneは3.5GHz帯制限地帯では第4世代移動通信システム(4G)向けに取得した2.3GHz帯を5Gに転用することになった。
3.5GHz帯以外でHutchison Telephoneが保有する屋外でも利用できる周波数は2.3GHz帯が最も帯域幅が広いため、2.3GHz帯を5Gに転用することを決定した。
2.3GHz帯は30MHz幅を保有しており、4GのLTE方式では1搬送波の帯域幅が最大20MHz幅となるため、LTE方式では10MHz幅と20MHz幅の2搬送波に分割してキャリアアグリゲーション(CA)を実装していたが、5GのNR方式では30MHz幅の1搬送波で運用する。
なお、NR方式のNR BandはFR1のn40となる。
3.5GHz帯制限地帯は大埔周辺と大潭頭周辺の2か所で、人口規模は大埔周辺の方が大きいため、2023年11月下旬時点では大埔周辺から2.3GHz帯を5Gに転用している。
日本でも2.3GHz帯で5Gを導入することが決定しており、KDDIおよび同社の連結子会社であるOkinawa Cellular Telephone Company (沖縄セルラー電話)が導入する予定である。
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