ソフトバンクがNOTTVの周波数をドコモの保有周波数に含めるよう主張、しかし電波政策ビジョン懇談会はソフトバンクの意見を一蹴
- 2014年07月14日
- SoftBank-総合
総務省は無線通信の高度化への期待やニーズが高まる中、電波の逼迫状況を解消するべく政策を抜本的に見直し、世界最先端の無線立国の実現と維持のために新しい電波利用などについて議論することを目的として「電波政策ビジョン懇談会」を開催しており、その一環で公開した「電波政策ビジョン懇談会 中間とりまとめ(案)」に対して2014年6月10日~6月30日の間に意見募集をしたところ、157の個人や組織から意見を提出した。
提出された意見などに基づき、資料として「電波政策ビジョン懇談会 中間とりまとめ概要」、「電波政策ビジョン懇談会 中間とりまとめ」、「中間とりまとめ(案)に対する意見募集の結果について」、「意見募集の結果」が総務省のウェブサイトで公開された。
その中で、「意見募集の結果」において仰天の主張が見られたのである。
問題の意見を提出したのはソフトバンクモバイルで、下記の通り意見を述べている。
“周波数保有量を評価する場合、携帯端末向けマルチメディア放送の周波数は、放送を補完するため携帯電話事業者の通信を連携させた実態を踏まえて、当該携帯電話事業者が利用する周波数として合算するべきであると考えます。
携帯端末向けマルチメディア放送のコンテンツは放送波で受信しきれなかった場合に通信で補完して受信することが可能であり、周波数に対して働くレバレッジを考慮し、携帯端末向けマルチメディア放送サービスに使用される周波数帯域についても評価の対象とすべきではないかと考えます。例えば、株式会社NTTドコモ殿(以下「NTTドコモ殿」と言う)は、連結子会社である株式会社mmbi殿、及びその子会社である株式会社ジャパン・モバイルキャスティング殿が提供する携帯端末向けマルチメディア放送(V-High)を通じて通信と放送を連携させており、その状況も踏まえると、同社の保有する周波数帯域についても、NTTドコモ殿が共用する帯域としてカウントすべきではないかと考えます。”
要するに、NTTドコモの連結子会社がマルチメディア放送用として保有する周波数、すなわちNOTTVで使う周波数をNTTドコモが利用する周波数に合算すべきと主張しているのである。
これに対して電波政策ビジョン懇談会は下記の通り考えを答えている。
“当懇談会では、通信に利用される複数の周波数が異通信事業者間で一体的に運用される場合について議論を行ったものであり、ご指摘の事例は中間とりまとめ(案)にいう一体運用に当たらないと考えます。
マルチメディア放送は基幹放送であり、電気通信業務とは目的・使途が異なるため、合算することは適当ではないと考えます。”
電波政策ビジョン懇談会における議論は異なる通信事業者間で一体的に運用される場合を対象としており、通信事業者のNTTドコモと通信事業者ではないmmbiおよびジャパン・モバイルキャスティングにおける今回のケースは「電波政策ビジョン懇談会 中間とりまとめ(案)」に該当しないとし、またマルチメディア放送のような基幹放送は電気通信業務とは目的や用途が異なるため、保有周波数として合算することは適当でないとソフトバンクモバイルの意見を一蹴した。
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ドコモはずるいと思います