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北朝鮮・黄金の三角州銀行で電子決済カードの先鋒を発行、口座も開設


朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)では電子決済カードの普及が進んでおり、北朝鮮の経済特区・羅先特別市でも電子決済カードが使われている。

北朝鮮の北東部に位置する羅先特別市は羅先経済貿易地帯として経済特区に指定されており、羅先特別市では「GOLDEN TRIANGLE BANK (黄金の三角州銀行:以下、GTB)」が電子決済カード「Sonbong (先鋒)」を発行している。

GTBは朝鮮語で「황금의 삼각주은행」、日本語では「黄金の三角州銀行」となる。

羅先特別市は羅津-先鋒市の頃より「黄金の三角州」と呼ばれており、銀行名はそれに由来する。

GTBは羅先特別市の羅津地区で最も中心部と言える南山洞に本店ビルを構えており、筆者は羅先特別市の訪問に合わせてGTBの本店ビルを現地了解した。

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GTBの本店ビル内に飾られる金日成国家主席と金正日総書記の肖像画

GTBは両替業務も実施しており、朝鮮民主主義人民共和国ウォン(KPW:以下、北朝鮮ウォン)、中国人民元(CNY)、ロシアルーブル(RUB)、ユーロ(EUR)、米ドル(USD)、そして日本円(JPY)を取り扱う。

羅先特別市では携帯電話販売店でも中国人民元で価格が表記されるなど、北朝鮮ウォンよりも中国人民元が一般的に通用するため、中国人民元があればまったく困らないが、外国人でも北朝鮮ウォンへの両替が認められている。

北朝鮮ウォンは二重レートの存在が知られるが、羅先特別市では基本的に市場交換レート(以下、実勢レート)を適用しており、GTBでも実勢レートで両替できた。

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羅先特別市の中心部に位置するGTBの本店ビル

筆者は100中国人民元(約1,650円)を北朝鮮ウォンに両替し、120,500北朝鮮ウォンを受け取れた。

なお、北朝鮮の案内人によれば、北朝鮮ウォンの現金は原則として国外に持出禁止で、北朝鮮ウォンは羅先特別市内で使い切るよう説明を受けた。

筆者は首都・平壌直轄市で「Foreign Trade Bank of the Democratic People’s Republic of Korea (朝鮮民主主義人民共和国貿易銀行:以下、FTB)」が発行する電子決済カード「Narae」を入手した経験があり、羅先特別市ではGTBの本店ビルで電子決済カードを入手することにした。

冒頭に記述した通り、GTBは電子決済カード「Sonbong」を発行しており、外国人でも容易に入手して通常の滞在に必要な決済に使用することができた。

名称は羅津-先鋒市を構成した先鋒郡に由来すると思われる。

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GTBで発行した電子決済カード「先鋒」

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羅先特別市の先鋒地区の中心部

Sonbongを利用する場合、事前に北朝鮮ウォンや中国人民元で入金しておく必要があり、電子決済カードに対応した店舗では残高の範囲で決済に使える。

平壌直轄市におけるNaraeと比較して、羅先特別市ではSonbongを利用できる店舗は少ないように感じた。

様々な外貨が使われる平壌直轄市では日本円で支払うと釣銭が中国人民元、中国人民元で支払うと釣銭が米ドルや北朝鮮ウォンということがあり、釣銭を気にする必要がないNaraeは便利であったが、中国人民元が一般的に通用する羅先特別市では中国人民元で支払えば基本的に釣銭は中国人民元であるため、発行の手間を考慮すれば短期滞在者がSonbongを使う必要性はあまりなさそうだ。

また、GTBでは外国人でも口座を開設することができるため、せっかくなので口座の開設を試してみた。

GTBは中国からの投資を促進する目的で設立されており、中国人を中心として羅先特別市で投資する外国人はGTBで口座を開設する。

このようにGTBは外国人の利用を想定しているため、手続きは円滑に進められた。

外国人が口座を開設する場合、本人確認書類を提出してから、口座開設申請書に氏名、住所、電話番号、所属機関名、後援者名、口座の開設理由、取引通貨、署名などを記入し、外国人向けの銀行取引用印鑑証に氏名、住所、招請企業名、職業と役職、北朝鮮国内の電話番号、署名を記入するだけで口座を開設できる。

本人確認書類は日本国旅券で問題なく、北朝鮮国内の電話番号は必須ではないが、筆者は「CHEO Technology JV Company (逓オ技術合作会社)」が提供する「koryolink (高麗網)」の有効な回線を所有しているため、それの電話番号を記入しておいた。

書類に記入するだけで容易に口座を開設することができたが、通帳やカードは発行されない。

こうして、筆者は初めて外国の銀行で口座を開設したが、一切使用することはなく、基本的に使用できないと表現した方が正しいだろう。

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GTBの本店ビルの正面入口

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問い合わせなどがあれば、paopao0128[at]gmail.comまで気軽に連絡をいただければ幸いである。 ※ [at]は@に置き換え

その他、FacebookInstagramTwitterにおいても北朝鮮関連の情報や写真を公開しているので、気になれば目を通していただきたい。

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