北朝鮮の経済特区・羅先特別市で展示会を現地了解、ECサイトの万物商を出展
朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)の経済特区・羅先特別市で開催された「第7次 羅先国際商品展示会」を現地了解した。
北朝鮮の北東部に位置する羅先特別市は羅先経済貿易地帯として経済特区に指定されている。
羅先国際商品展示会は毎年8月に開催しており、会場は2015年9月17日に金正恩国務委員長が現地指導した羅先展示館である。
羅先展示館は羅先特別市の先鋒地区に位置し、第7次 羅先国際商品展示会は2017年8月7日から2017年8月11日にかけて開催された。
出展は北朝鮮企業が大半を占めており、首都・平壌直轄市を拠点とする企業はもちろんのこと、羅先特別市を拠点とする地元の企業も多かった。
外国企業としては中国企業が目立ち、中国語も活発に飛び交っていた。
具体的な社名の公表は控えるが、日本からは2社の出展を確認できた。
筆者は平壌直轄市で平壌国際商品展覧会も現地了解した経験があるが、羅先国際商品展示会は平壌国際商品展覧会と比べるとやはり小規模であった。
IT関連の展示も平壌国際商品展覧会と比較すれば極めて少ないが、「Taeyang Trading Company (太陽貿易会社)」のブースでは電子商取引サイト「Manmulsang (万物商)」を出展していた。
なお、ManmulsangはTaeyang Trading Companyの関連会社である「Yonphung Commercial Information Technology Company (延豊商業情報技術社)」が運営する。
第7次 羅先国際商品展示会の会場ではManmulsangの事業担当者から話を聞くことができた。
Manmulsangはスマートフォンやパソコンなどイントラネットにアクセスできる環境から利用可能で、スマートフォン利用者の増加に伴ってスマートフォンからの利用が増えているという。
会場でのデモンストレーションは見やすさを重視してパソコンで紹介していたが、若年層を中心にスマートフォン利用者から人気を集めているとのことである。
Manmulsangには多くの企業所が出店して商品を販売しており、消費者はManmulsangで商品を比較して最適な商品を選択できる。
消費者にとっては商品を購入する手段の新たな選択肢となり、Manmulsangは北朝鮮の人民の生活をより豊かにしている。
また、消費者の利便性を向上するだけではなく、企業所にとっては新たな販路となるほか、企業所間の競争を促進することにもなるため、さらに優良な商品の開発にも役立つという。
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電子商取引サイト「Manmulsang」のデモンストレーション
Taeyang Trading CompanyのブースではManmulsangブランドのUSBフラッシュメモリを販売していた。
USBフラッシュメモリは形状が異なる2種類を用意しており、容量はいずれも8GBであるが、価格は27中国人民元(約440円)と30中国人民元(約490円)に設定されていた。
筆者は現地了解の記念に30中国人民元のUSBフラッシュメモリを購入しておいた。
パッケージにQRコードが付けられた北朝鮮製の製品が増えており、USBフラッシュメモリのパッケージにもQRコードが付けられていた。
QRコードを読み取るとUSBフラッシュメモリの製造地を表示し、平壌直轄市の楽浪区域貞栢洞に位置する工場で製造されたことが分かった。
Manmulsangの成長はスマートフォン利用者の増加と大きく関係があり、過去には記事でも取り上げているため、それだけに北朝鮮で関係者からManmulsangの話を実際に聞けたことは非常に嬉しく感じた。
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ManmulsangブランドのUSBフラッシュメモリ(上が27中国人民元、下が30中国人民元)
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