北朝鮮で4Gの導入を検討、逓信部門の関係者らが学ぶ
- 2018年09月25日
- DPRK
朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)で第4世代移動通信システム(4G)の導入を検討していることが朝鮮中央通信(Korean Central News Agency:KCNA)の報道で分かった。
北朝鮮の東部に位置する江原道の道都・元山市において、2018年9月19日から2018年9月21日まで全国逓信部門科学技術発表会(National Sci-tech Presentation of Communications)が開催された。
全国逓信部門科学技術発表会は朝鮮科学技術総連盟中央委員会(Central Committee of the General Federation of Science and Technology of Korea)および北朝鮮の政府機関で電気通信分野などの規制を担う逓信省(Ministry of Posts and Telecommunications:MPT)が主催し、逓信部門に関連する事業体の幹部、科学者、技術者、3大革命小組員、教員、研究者、博士院生が参加した。
逓信部門に関連する300件以上の論文が提出されたほか、新技術および新製品の展示も実施したという。
また、4Gの導入を見据えて、逓信部門の関係者らに対して4Gの発展動向に関する講義が行われた。
4Gは朝鮮語で4세대이동통신と表現しており、直訳すると4世代移動通信となる。
北朝鮮の移動体通信事業者(MNO)はブランド名をkoryolink (高麗網)として展開するCHEO Technology JV Company (逓オ技術合作会社)およびブランド名をKANGSONG NET (強盛網)として展開するKorea Posts and Telecommunications Corporation (朝鮮逓信会社:KPTC)の2社で、いずれも第3世代移動通信システム(3G)としてW-CDMA方式を導入している。
2014年以降に北朝鮮ではスマートフォンの利用者が増えており、それに伴いイントラネットを利用するためデータ通信サービスの加入件数も増加傾向で、すでにMiraemang (未来網)として一部のスポットで公衆無線LANサービスも導入済みであるが、LTE方式のようにより高速なデータ通信サービスを実現できるモバイルネットワークの需要は高まる見込み。
国際的な制裁措置は電気通信設備の輸入などに影響を及ぼしているが、経済重視の方針や科学技術の発展を打ち出して朝鮮半島の非核化への意思も示しており、制裁措置の解除および経済協力を得られれば、迅速に逓信部門の高度化を進められるよう準備していると思われる。
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