インドネシア当局、5G向け2.3GHz帯の割当を中止
- 2021年01月27日
- 海外携帯電話
インドネシアの政府機関で電気通信分野の規制を司る通信情報省(Kementerian Komunikasi dan Informatika:Kominfo)は第5世代移動通信システム(5G)の導入を想定した周波数の割当を中止したと発表した。
通信情報省は移動体通信用途に2.3GHz帯を追加で割当する方針を固め、2.3GHz帯の割当先を決定するための選考を実施することで決定していた。
2.3GHz帯では5Gを導入するよう求めており、事実上の5G向け周波数となった。
移動体通信事業者(MNO)は選考に参加するための申請書を通信情報省より取得し、必要事項を記入して申請書を提出することになり、通信情報省が申請書の内容などを審査して2.3GHz帯の割当先を決定する予定となっていた。
2020年11月24日に申請書の取得を受け付け、インドネシアの移動体通信事業者でTelkomselとして展開するTelekomunikasi Selular、Smartfrenとして展開するSmart Telecom、Tri Indonesiaとして展開するHutchison 3 Indonesia、XL Axiata、Indosat OoredooおよびIM3 Ooredooとして展開するIndosatの5社が取得した。
ただ、Indosatは申請書の提出を見送り、Telekomunikasi Selular、Smart Telecom、Hutchison 3 Indonesia、XL Axiataの4社が申請書を提出していた。
XL Axiataは行政評価で参加が認められず、最終的にTelekomunikasi Selular、Smart Telecom、Hutchison 3Indonesiaの3社が2.3GHz帯を確保することになった。
しかし、通信情報省は具体的な理由の説明なく慎重に決定したとして2.3GHz帯の割当を中止した。
対象の2.3GHz帯は帯域幅や対象地域が限定的であるため、急いで割当すべきではないと判断したと思われる。
2360~2390MHzの30MHz幅を対象としたため、帯域幅は3社に10MHz幅ずつ割当したが、5G向け周波数としては帯域幅が狭く、5Gの特徴を生かすことは難しい。
また、すでに対象地域を限定したブロードバンド・ワイヤレス・アクセス(以下、地域BWA)向けに割当した周波数であるため、既存の免許人が存在する地域では利用できない制限も存在した。
地域BWAはインドネシア全土を15地域に分割して周波数を割当したが、15地域のうち8地域は既存の免許人が存在するため、対象地域はわずか7地域に限られる状況となっていた。
なお、インドネシアでは移動体通信事業者の再編に向けた動きがあり、Hutchison 3 IndonesiaとIndosatは統合に向けた協議を実施することで合意している。
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