クウェートで5G回線の入手に難儀、Zainとstc Kuwaitで確保
クウェートで第5世代移動通信システム(5G)を試した。
クウェートの移動体通信事業者(MNO)はZainとして携帯通信事業を行うMobile Telecommunications Company、stcとして携帯通信事業を行うKuwait Telecommunications Company、Ooredooとして携帯通信事業を行うNational Mobile Telecommunications Companyの3社が5Gを商用化している。
いずれも5Gに対応したプリペイドプランを提供しているため、各社のプリペイドプランで5Gを試そうと考えていたが、5Gに対応した回線の入手に難儀することになった。
クウェートの航空会社であるKuwait Airways Corporation (クウェート航空)を利用したため、クウェート国際空港(KWI)の第4ターミナルから入国したが、Kuwait Airways Corporationの専用ターミナルとして機能する第4ターミナルは小規模で店舗が少なく、移動体通信事業者の直営店はKuwait Telecommunications Companyの1社にとどまる。
しかも、プリペイドプランを販売しておらず、仕方なくクウェート国際空港の第1ターミナルや空港外の直営店を訪問した。
Mobile Telecommunications Companyの直営店では基本的にプリペイドプランを取り扱うが、5Gに対応したプリペイドプランは取り扱わない店舗が大半で、最終的には本社併設の店舗で5Gに加入できた。
Kuwait Telecommunications Companyの直営店では第4ターミナルの店舗を除いて基本的にプリペイドプランを販売していたが、こちらも5Gに対応したプリペイドプランを取り扱わない店舗が大半である。
第1ターミナルには日本の1階に相当するグラウンドフロアと日本の2階に相当する1階に直営店を開設しており、1階の店舗に限り5Gに対応したプリペイドプランの取り扱いを確認できたため、そこで5Gに対応した回線を入手した。
National Mobile Telecommunications Companyは訪問できた空港外の直営店ではプリペイドプランを取り扱わず、第1ターミナルのグラウンドフロアに開設した2か所の直営店ではプリペイドプランを販売していたが、プリペイドプランでも毎月更新の月間プランで2か月目以降から5Gが有効となるため、短期滞在では5Gを利用できなかった。
5Gに加入できた2社で通信速度を測定すると、下りはMobile Telecommunications Companyで2Gbps弱、Kuwait Telecommunications Companyでは1Gbps弱と高速通信を使えた。
なお、5Gの無線方式はNR方式を採用しており、周波数はMobile Telecommunications Companyが2.3GHz帯と3.5GHz帯、Kuwait Telecommunications Companyは2.1GHz帯と3.5GHz帯で、NR Bandは2.1GHz帯がFR1のn1、2.3GHz帯がFR1のNn40、3.5GHz帯がFR1のn78となる。
いずれも3.5GHz帯を中心に5Gを整備しており、Mobile Telecommunications Companyでは2.3GHz帯と3.5GHz帯でキャリアアグリゲーション(CA)を導入していることも確認できた。
クウェートの移動体通信事業者の直営店では5Gに対応したプリペイドプランを取り扱わない店舗が多く、公共交通機関の整備も不十分であるため、より5Gに対応した回線の確保に困難な印象を受けた。
クウェートは観光や乗り継ぎを重視しておらず、到着査証の手続きや要件なども短期滞在者にはあまり優しくない。
実際に短期滞在者は少なく、短期滞在者の需要が低いため、多くの移動体通信事業者の直営店ではプリペイドプランのラインナップが限定的と考えられる。
参考までに、当時は日本の移動体通信事業者としてはNTT DOCOMOがクウェートにおける国際ローミングでMobile Telecommunications Companyの5Gに対応すると案内していたが、公式な対応機種で手動選択してもMobile Telecommunications Companyの回線自体を利用できなかった。
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