日本の携帯電話事業者各社、アンカーバンド通信時は4G表示で検討
- 2020年01月27日
- 携帯電話総合
日本の携帯電話事業者各社はNRに対応したスマートフォンを含めた携帯端末のアンテナピクト表示に関して、アンカーバンドで通信時は4Gと表示する方向で検討していることが分かった。
5Gの通信方式は標準化団体の3GPP (3rd Generation Partnership Project)で5Gの要求条件を満たすために規定されたNRを導入するが、NRには単独で動作するスタンドアローン(SA)構成と、LTEと連携して動作するノンスタンドアローン(NSA)構成が規定されている。
NRの導入初期はNSA構成でLTEのEPCに収容するOption 3を採用するが、Option 3ではLTEを提供する基地局のeNBがマスターノード、NSA構成向けRANでNRを提供する基地局のen-gNBがセカンダリノードとなるため、NRの接続にはLTEへの常時接続が必要となる。
この常時接続のLTEがアンカーバンドとなり、以下からeLTEと呼称することにする。
アンカーバンドとして機能するためには必ずしもSIB2にupperLayerIndication-r15が含まれるとは限らないが、SIB2にupperLayerIndication-r15が含まれるとアンカーバンドとして機能できるeLTEとなり、一部のNRに対応した携帯端末ではNRのカバレッジを検出していなくともupperLayerIndication-r15で判断してeLTEに接続すればアンテナピクトが5Gと表示される。
アンテナピクトの表示はメーカー、携帯電話事業者、国や地域などで異なる規則を採用しており、同じメーカーでも納入先によって異なる場合がある。
例えば、中国のHuawei Technologies (華為技術)や韓国のSamsung Electronics (サムスン電子)のスマートフォンは国や地域によって異なり、Huawei Technologiesは中国向けと中東およびアフリカ向け、Samsung Electronicsは韓国向けと豪州向けでそれぞれ異なる規則を採っている。
総務省(Ministry of Internal Affairs and Communications:MIC)が公開した新世代モバイル通信システム委員会報告(案)では日本における表示に関して言及されており、日本では携帯電話事業者間で合意して統一された表示を採用する模様である。
待受時はNRおよびeLTEが5G、LTEが従来通り4Gとなり、通信時はNRが5G、eLTEおよびLTEが4Gの方向性で検討しているという。
あくまでも最終決定ではない模様であるが、eLTEのみで通信時に5Gと表示されることはないように検討していると分かる。
なお、携帯電話事業者を介さずにオープンマーケットで販売される携帯端末には適用されない可能性も十分に考えられる。
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