北朝鮮のkoryolinkが3Gの商用化から14年、高麗網としても展開
- 2022年12月15日
- DPRK
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の移動体通信事業者(MNO)であるCHEO Technology JV Company (逓オ技術合作会社)は携帯通信サービスの商用化から14周年を迎えた。
koryolink (高麗リンク)の商標を使用して2008年12月15日に第3世代移動通信システム(3G)で携帯通信サービスを商用化したため、2022年12月15日で商用化から14年が経過したことになる。
3Gの無線方式としてW-CDMA方式を運用する。
周波数は2.1GHz帯を使用しており、バンド番号はBand Iである。
2008年1月24日に北朝鮮の政府機関として存在した逓信省(Ministry of Posts and Telecommunications:MPT)とWCDMA 移動通信奉仕提供及び運営許可合意書を締結しており、事実上の3Gの免許となった。
なお、北朝鮮では政府機関の再編で逓信省を廃止しており、逓信省などの機能を承継する政府機関として情報産業省(Ministry of Information and Communications Technology Industry:MICTI)を設置したため、逓信省が保有した権利義務は情報産業省が保有することになる。
CHEO Technology JV Companyは2008年12月15日に北朝鮮の首都・平壌市の中区域に所在する人民文化宮殿(People’s Palace of Culture)でkoryolinkの商用化に関する記者会見を行い、すぐに平壌市の普通江区域に所在する国際通信局(INTERNATIONAL COMMUNICATION CENTRE)に移動して式典も開催した。
国際通信局に最初の直営店を開設しており、式典の開催をもって直営店の営業を開始するとともにkoryolinkを商用化している。
登記上の本店は平壌市の平川区域に所在する普通江旅館(POTONGGANG HOTEL)内の事務所であるが、国際通信局が主要な業務拠点となっている。
筆者は国際通信局内の直営店でkoryolinkの3Gを契約すると同時にスマートフォンを購入したことがある。
koryolinkの表記は朝鮮語でも高麗リンクと外来語を使用するが、漢字語に由来する高麗網も公式に使用するほか、携帯電話番号帯に由来する191の呼称も存在する。
CHEO Technology JV Companyは朝鮮民主主義人民共和国 外国人投資法で規定される外国投資企業の外国人投資企業の合作企業で、出資比率はエジプトのOrascom Investment Holding (OIH)が60%、情報産業省が完全所有する国営のKorea Posts and Telecommunications Corporation (朝鮮逓信会社:KPTC)が40%となっている。
合作企業は北朝鮮側が事業運営を行う必要があるため、原則として事業運営はKorea Posts and Telecommunications Corporationが担当する。
Korea Posts and Telecommunications Corporationは移動体通信事業者としてKANGSONG NET (強盛網)の携帯通信サービスを直接的に運営しており、北朝鮮で2番目の3GとしてW-CDMA方式を導入した。
koryolinkとKANGSONG NETはエリアが異なるため、相互に国内ローミングも受け入れている。
基本的に主要都市ではkoryolink、地方都市ではKANGSONG NETを展開している。
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