シンガポールのStarHub、VoNRをUltra Clear HD Voiceとして提供へ
- 2021年06月05日
- 海外携帯電話
シンガポールのStarHub (星和)の完全子会社で同国の移動体通信事業者(MNO)であるStarHub Mobile (星和移動)は第5世代移動通信システム(5G)の無線方式であるNR方式のスタンドアローン(SA)構成の導入に伴いVoNR (Voice over NR)による音声通話の提供を開始することが分かった。
StarHub MobileはSA構成の導入に伴いVoNRによる音声通話をUltra Clear HD Voiceとして提供することを案内している。
具体的な日程までは公表していないが、個人向け料金プランとしてはMobile+の加入者に対して間もなく提供を開始するという。
SA構成で利用するためには5G SIMカードと呼称する新しいSIMカードに交換する必要がある。
既存のMobile+の加入者に対しては無料でSIMカードの交換を受け付ける予定で、交換の準備ができれば改めて通知する。
2021年6月中旬にSIMカードの交換の受け付けを開始する予定を公表している。
これまではStarHub Mobileは第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式と連携して動作するノンスタンドアローン(NSA)構成でNR方式を運用してきた。
NSA構成のOption 3ではアンカーバンドとして機能するLTE方式に常時接続が必須で、データ通信はLTE方式とNR方式で同時通信を行い、音声通話はアンカーバンドでVoLTE (Voice over LTE)を利用する。
SA構成のOption 2ではNR方式が単独で動作し、音声通話はVoNRおよびVoLTEに切り替えるEPSフォールバックを実装できるが、VoNRを導入せずにEPSフォールバックを適用して音声通話はVoLTEで提供することもできる。
ただ、StarHub MobileはSA構成の導入に伴いVoNRも導入することになる。
StarHub Mobileは5G向け周波数として3.5GHz帯をシンガポールの移動体通信事業であるM1 (第一通)と共同で取得し、28GHz帯を単独で取得した。
3.5GHz帯は周波数の利用条件としてSA構成の導入が規定されているほか、28GHz帯はカバレッジの確保なども考慮すると早期の整備は容易ではない。
そのため、当初は5G向けに取得した新規の周波数ではなく、既存の周波数である2.1GHz帯でNR方式を導入し、まずはNSA構成で運用することになった。
SA構成の導入に伴い3.5GHz帯も使用できるため、3.5GHz帯の使用も開始すると思われる。
NR Bandは2.1GHz帯がFR1のn1で、3.5GHz帯がFR1のn78である。
なお、3.5GHz帯はM1と共同で設立した折半出資合弁会社のAntinaを通じて整備する。
厳密には3.5GHz帯はAntinaが免許人かつ移動体通信事業者として無線アクセスネットワーク(RAN)を整備するため、StarHub MobileおよびM1は卸提供を受ける仮想移動体通信事業者となる。
通信設備はフィンランドのNokia Solutions and Networksを採用している。
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